株式明日の戦略-指数に短期的な過熱感 個別は利益確定売りと持ち継続の区別をつける局面か

 18日の日経平均は大幅に6日続伸。米国株高や円安進行を好感し、寄り付きから300円超の上昇となった。指数寄与度の大きい半導体関連株の上昇が日経平均を押し上げ、一時30667円と上げ幅は500円を超える場面があった。急ピッチの上昇に対する利益確定売りで30400円を下回る場面もあったが、後場にかけて持ち直し高値圏を保った。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8000億円。騰落銘柄数は値上がり956/値下がり808。業種別では電気機器、精密機器、機械などが上昇した一方、電気・ガス、パルプ・紙、陸運などが下落した。売買代金上位では、海外の有力半導体メーカーが日本国内で投資を拡大するとの期待や米SOX指数の大幅高を受け、東京エレクやアドバンテストを筆頭に信越化学やディスコなどの半導体関連が相対的に堅調。ソニーフィナンシャルグループの上場を前提としたスピンオフ検討開始を材料にソニーGが大幅上昇となった。一方、ソフトバンクGが下げたほか、NTTやKDDI、JR各社が売られた。

 個別の値上がり率上位でも半導体関連が目立ったほか、証券会社による投資判断引き上げを材料にクオールHDが大幅続伸。クスリのアオキはオアシスマネジメントが大株主に浮上したことが材料視された。外資系証券が目標株価を引き上げたイビデン、投資判断を2段階引き上げられたマキタなども買われた。一方、値下がり率上位では、チェンジが商い増加を伴って大幅続落したほか、大幅減益見通しが引き続き警戒されたウェルビーが下値模索。東京電力HDは柏崎刈羽原発の運転禁止命令が解除されなかったことが引き続き売り材料視された。

 あすは短期的な過熱感から上値が抑えられる展開が予想される。米国市場次第では引き続き買い先行も想定されるが、高値警戒感の方が優勢となりそうだ。先物主導の追い風となるドル円相場も円安方向への戻りのピッチが速い。GW中に付けた高値付近からドル買い一服が予想され、円高に振れれば売り材料になる。
 日経平均の25日移動平均線からの乖離率は7.6%(5/18現在)まで拡大、東証プライムの騰落レシオ(25日)は138.22%と直近ピークから2日続けて低下した。3/16安値から一目均衡表でいう基本数値「42」日目が経過したことで、その前後では上げ一服に注意が必要となる。
また、日経平均やTOPIXの上昇について行けないマザーズ指数が終値ベースで直近安値に迫る弱い動きになっており、保ち合いを下放れると相場全体の短期的な調整サインになることも考えられる。
 物色面では出遅れセクターや銘柄が有望か。5月は営業日ベースで概ね半分が経過したが、東証33業種の月間騰落では下位セクターは海運や非鉄金属に加え、鉱業や石油石炭製品など資源関連となる。日経平均やTOPIXが反落に転じた場合は、それらのセクターに短期的な下値買いが入る公算が大きい。
 値上がり銘柄と値下がり銘柄の数のきっ抗が続いており、出遅れセクターや銘柄は多数存在する。そのため、ここは利益確定売りと持ち継続の銘柄の区別をつける局面だろう。
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