株式明日の戦略-大幅高で週間でもプラス、来週も売り手控えで堅調か

 12日の日経平均は大幅続伸。終値は261円高の29388円。

 本日、NTTが1:25の株式分割を発表した。NTTのきょうの終値は4108円で、これを25で割ると約164円。100株単位なので1万円台でNTTの株が買えることになる(分割の基準日は2023年6月30日)という変更。ミニ株などメジャーな銘柄の株を低予算で買う手段は今でもあるが、今回の変更では、議決権を有する単位株を買えるようになる。買いやすくはなるが売りやすくもなるし、株主総会などのコストがかさむことも予想されるため、株価の反応は芳しいものとはならなかった。ただ、株式をより多くの人に身近に感じてもらう施策としては非常に興味深い。NTTがこういったことを決定するのであれば、続く企業も出てくるかもしれない。投資家層にも変化が出てくる可能性があるだけに、今回のリリースがどういった波及効果をもたらすかを注意深くウォッチしておきたい。


【来週の見通し】
 堅調か。決算発表に関しては15日の月曜までは数が多く、火曜16日までは個別の活況が続く可能性が高い。その後は材料難となるため、指数が積極的に上値を追うような地合いにはなりづらい。とはいえ、足元で日経平均やTOPIXが年初来高値圏で推移するなど流れが非常に良いこと、米国株に関してもGWで日本が休場の間に下を試して持ち直していることなどから、大きく崩れる展開も想定しづらい。米国ではウォルマートなど小売株のほか、半導体株のアプライド・マテリアルズが決算を発表予定。国内の決算発表が一巡した後はこれらの結果に注目が集まる。ただ、何らかの材料で下げたとしても、押し目があれば買い遅れた投資家からの買いが入るだろう。19日金曜日からは広島でG7サミットが開催される。ここで出てくる内容を見極めたいところでもあり、売り急ぎが抑制されて高値圏を維持すると予想する。


【今週を振り返る】
 堅調となった。大型連休明けとなった8日は、休場の間の米国株が均してみれば弱かったことから、日経平均は200円を超える下落。一方、9日はJFEHDの急騰などもあってバリュー株買いが盛り上がり、前日の下げ分を取り戻して300円近い上昇となった。10日は米国株安を受けて下落したが、11日は場中に下を試しに行っても押し目では買いが入り、小幅ながらプラスで終了。木曜時点では前の週との比較でほぼ横ばいであったが、12日は好決算銘柄や大型株に強い動きが見られたことで200円を超える上昇となり、週間でプラスを達成した。日経平均は週間では約230円の上昇となり、週足では4週連続で陽線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、4月企業物価指数、4月工作機械受注、5年国債入札(5/15)、1-3月期GDP速報値、20年国債入札(5/17)、4月貿易収支、4月首都圏マンション発売(5/18)、4月全国消費者物価指数、G7広島サミット(~5/21)(5/19)などがある。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、米5月ニューヨーク連銀景気指数、米3月対米証券投資(5/15)、中国4月鉱工業生産、中国4月小売売上高、中国4月固定資産投資、米4月小売売上高、米4月鉱工業生産(5/16)、米4月住宅着工件数(5/17)、米5月フィラデルフィア連銀景気指数、米4月中古住宅販売(5/18)などがある。
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