株式明日の戦略-決算発表終盤にかけて一段高、あすは後場が強いかに要注目

 15日の日経平均は3日続伸。終値は238円高の29626円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1166/値下がり620。1Qが大幅営業増益となった資生堂が5%を超える上昇。自己株取得を発表した第一生命が大幅高となり、決算発表を先に控える他の保険株にも期待買いが入った。今期は大幅増益を見込む大阪チタニウムが急騰し、自身の決算では大きく値を崩した東邦チタニウムにも見直し買いが入った。アサヒGHD、日本精工、ロート製薬などが決算を材料に大幅高。業績回復が確認できた青山商事がストップ高となり、中期計画を見直して配当目標を大幅に引き上げたレーサムがストップ高比例配分となった。

 一方、今期が2桁の営業減益計画となったオリンパスが6%を超える下落。東京エレクトロンやレーザーテックなど半導体関連は、全体株高の流れに乗れず下落するものが多かった。ダイフクは前期の期末配当見通しを引き上げたものの、今期の減益計画が嫌気されて大幅安。ブイテクノロジー、IRジャパン、スターティアなどが決算を受けて厳しい下げとなった。今期の大幅減収減益計画がネガティブサプライズとなったイーレックスは、売りが殺到してストップ安比例配分となった。

 日経平均は3日続伸。この間、いずれも後場の動きが良かった。後場が強いと高値警戒からの売りが抑制される上に、海外投資家が日本にポジティブな見方を採っていると考えられることで、翌営業日以降も好影響が持続しやすい。決算発表はきょうまでで一段落となることから、個別の賑わいが期待できるのはあすまでとなる。あすの後場が強いかどうかは、短期的な方向感を探る上で要注目だ。

 TOPIXは本日の高値が2114.86pまであり、2021年9月につけた2120.18pに迫ってきた。日経平均に関しては良くも悪くも「3万円」という節目がクローズアップされやすいが、TOPIXが過去の高値を超えてくるようであれば、仮に日経平均が3万円に届かず調整を入れたとしても日本株の先高期待は高まる。この決算発表期間中、日本株は非常に強い動きを見せたが、12日、15日と終盤にかけてもう一段ギアを上げてきた。決算発表が一巡しても、それだけでセンチメントが悪化しそうな雰囲気にはなっていないだけに、あすはTOPIXが上述の高値を超えて、日本株も引け味良く終わる展開に期待したい。
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