ロンドン為替見通し=スロベニア中銀総裁のタカ派発言を確認後、米5月雇用統計待ちへ

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、タカ派のバスレ・スロベニア中銀総裁の講演を見極めた後、米国5月の雇用統計を待つ展開が予想される。

 タカ派のバスレ・スロベニア中銀総裁の講演では、先日の発言「インフレに関する我々の仕事はまだ終わっていない」と同様の発言が予想され、6月15日に開催される欧州中央銀行(ECB)理事会での追加利上げ観測を高めることが予想される。

 昨日発表された5月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年比+6.1%と4月の同比+7.0%から低下、コア指数も同比+5.3%と4月の同比5.6%から低下していた。しかしながら、ラガルドECB総裁は「基調インフレがピークを付けたという明白な証拠はない。金利を十分に景気抑制的な水準に引き上げる仕事はまだ終わっていないとわれわれは明確にしている」と述べ、追加利上げを示唆していた。

 また、タカ派のレーン・フィンランド中銀総裁も、「ターミナルレート(利上げの最終到達点)には到達していない。ECBが緩和検討する前にコアインフレの鈍化が必要」と述べており、依然としてタカ派が多数派を占めていることが窺える。

 米国4月の雇用統計が予想(失業率:3.5%、非農業部門雇用者数:前月比+19万人)通りだった場合、6月13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ休止観測が高まることで、欧米金融政策の乖離がユーロ買い・ドル売り要因となる可能性に警戒しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.0863ドル(日足一目均衡表・基準線)
・ユーロ円:149.83円(日足一目均衡表・転換線)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0728ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:148.59円(5/31安値)


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。