株式明日の戦略-半導体株が売られても大幅高、自然体での上昇基調が続くか

 2日の日経平均は大幅続伸。東証1部の騰落銘柄数は値上がり1662/値下がり140と値上がり銘柄の多さが目立った1日。証券会社がレーティングを引き上げたソフトバンクGが連日の大幅高。主力どころではトヨタ、ニデック、ダイキン、キーエンスなどの動きが良かった。東証プライム市場への移行が承認されたANYCOLORが買いを集め、同業のカバーも証券会社の新規カバレッジが入ったことで急伸。5月の月次が強かった百貨店の松屋が5%を超える上昇となった。

 一方、半導体株が独歩安となっており、東京エレクトロン、アドバンテスト、ソシオネクスト、ルネサスが下落。レーザーテックは3%安と弱さが目立った。米国の長期金利が大きく低下しており、三井住友が下落。月次を材料にワークマンやKeePer技研が大幅安となった。

 日経平均は強い上昇で年初来高値を更新した。きょうは半導体株とそれ以外で明暗が分かれたが、半導体株の下落を他の銘柄がカバーして大幅高というのは、なかなかのレアケース。短期的には過熱感が強かった半導体株がひと休みしたら、普段は物色の蚊帳の外に置かれることが多い製紙株が跳ねてきた。この先、どのジャンルの銘柄が強く買われても不思議ではない。きょうの半導体株のように、高くなったものには利益確定売りが出てくるだろうが、今は売却資金も株式市場に滞留しやすい。日本株は主役をその時々で入れ替えながら、好循環がしばらく続くだろう。

【来週の見通し】

 堅調か。翌週が中央銀行ウイークとなり、FOMC(6/13~14)、ECB理事会(6/15)、日銀会合(6/15~16)と日程が集中する。来週は日米で経済指標がいくつか出てくるが、相場を大きく動かしそうな材料が少なく、基本的には中銀イベントを前に様子見姿勢の強い地合いを予想する。ただし、6月のFOMCに関しては、利上げは見送られるとの見方が多い。日銀に関しては特に政策の修正があるといった見方が強まっているわけではなく、今回はこれらのイベントが警戒材料にはならなそう。足元の動きが良い日本株に関しては、様子見でも売りが手控えられることで、自然体での強い基調が続くと予想する。

【今週を振り返る】

 堅調となった。他市場と比べても日本株が強いという見方が日増しに強まる中、日経平均は週明けの5月29日から300円を超える大幅上昇。30日は米国が休場で手がけづらさがある中、売りをこなしながらもプラスで終えた。5月最終日となる31日は、5月が月間で強かったことに対する利益確定のような動きが出てきて大幅安となった。しかし、6月に入って1日は前の日に大きく売られた商社株などに押し目買いが入って大幅高。2日も幅広い銘柄に買いが入って大幅高となり、年初来高値を更新して週を終えた。日経平均は週間では約607円の上昇となり、週足では8週連続で陽線を形成した。

【来週の予定】

 国内では、4月家計調査、4月毎月勤労統計調査、30年国債入札(6/6)、4月景気動向指数(6/7)、1-3月期GDP確報値、5月都心オフィス空室率、5月景気ウォッチャー調査(6/8)、メジャーSQ、5月マネーストック(6/9)などがある。

 企業決算では、泉州電、内田洋、ファーマフーズ、フジコーポ、ファースト住(6/5)、アイル、楽天地(6/7)、積水ハウス、アイモバイル、スバル興、Bガレージ(6/8)、クミアイ化、日駐、ラクスル、シーイーシー、ソフトウェアサー、サムコ、ロックフィール、ポールHD、フリービット、オハラ、gumi、モロゾフ、鳥貴族HD、Eインフィニティ、ユークス、HEROZ、日本スキー、アスカネット、日ハウスHD、エイチーム、トビラシステム(6/9)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、OPECプラス会合(6/4)、米5月ISM非製造業指数、米4月製造業受注(6/5)、中国5月貿易収支、米4月貿易収支、米4月消費者信用残高(6/7)、中国5月生産者物価指数、中国5月消費者物価指数(6/9)などがある。
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