株式明日の戦略-大幅高で32000円を突破、主力大型株が上昇をけん引

 5日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は693円高の32217円。2日の米国市場では、5月雇用統計などを材料に、ダウ平均が700ドルを超える上昇。今年最大の上げ幅を記録した。これを好感して、寄り付きから300円を超える上昇。31800円台からスタートし、その後も上値を伸ばした。幅広い銘柄に買いが入り、前場のうちに節目の32000円を上回ると、後場は売り手不在の中で上げ幅を一段と拡大。700円近い上昇で高値引けとなった。TOPIXは寄り付きから2200ポイントを上回り、こちらも高値引け。マザーズ指数が2.6%高と、新興銘柄にも強い買いが入った。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8700億円。業種別では機械、海運、繊維などが大幅上昇。下落は電力・ガスの1業種のみで、空運や情報・通信の上昇が限定的となった。半導体関連の一角が賑わっており、ソシオネクスト<6526.T>、ルネサスエレクトロニクス<6723.T>、アドバンテスト<6857.T>などが大幅上昇。半面、5月度の月次がさえなかったニトリホールディングス<9843.T>が大幅に下落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1625/値下がり164。主力どころではファストリ、信越化学、日立などが大幅上昇。ニュースのあったパナソニックが5%超上昇した。中国の景気支援策に対する期待から、コマツや日立建機など建機株が人気化。商船三井など海運株や、三井物産など商社株の動きも良かった。政府が水素の供給量を拡大させる方針と伝わったことから、岩谷産業や川崎重工が関連銘柄として買いを集めた。中計の発表を材料にストップ高が続いていたゼネテックが46.3%高と爆騰した。

 半面、今期の黒字見通しを示したものの、配当に関しての言及がなかった北陸電力が5.4%安。東電HDや中国電力など他の電力株にも売りが広がった。今期の減益計画が嫌気されたアインHDが12.9%安と急落。立会外分売を予定していると発表した精工技研が厳しい下げとなり、年初来安値を更新した。

 日経平均は週明けから大幅高。32000円を難なく突破して32200円台で終えた。TOPIXはきょう直近高値を上回ったばかりで、ここから上昇に弾みがつきそうでもある。主力大型株への買いが続く中で、物色の蚊帳の外に置かれていた新興銘柄にも資金が向かっており、日増しに流れが良くなっている。どこかで過熱感を冷やす売りが出てくるかもしれないが、現状では目新しい悪材料が出てこない限り、押し目は買い場と受け止められるだろう。一方で、決算や月次など、業績絡みの材料が出てきた銘柄に関しては、強く売られるものも散見される。株高で期待値が上がっている分、並みの内容では満足できないし、ネガティブな内容ならたたき売られる。この先、堅調な地合いが続いた場合でも、この点には注意を払っておく必要がある。
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