ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ドル円、反発

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は144.07円と前営業日NY終値(143.51円)と比べて56銭程度のドル高水準だった。米10年債利回りが3.69%台まで低下したことなどを手掛かりに円買い・ドル売りが先行。22時30分過ぎに143.30円付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値143.29円が目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。23時発表の6月米消費者信頼感指数や5月米新築住宅販売件数、6月米リッチモンド連銀製造業景気指数が軒並み予想を上回ったことが分かると、米10年債利回りの上昇とともに円売り・ドル買いが活発化した。24時過ぎには144.17円と昨年11月以来7カ月ぶりの高値を更新した。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0961ドルと前営業日NY終値(1.0906ドル)と比べて0.0055ドル程度のユーロ高水準だった。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がポルトガルのシントラで開催中のECBフォーラムで「ターミナルレート(利上げの最終到達点)に到達した兆候はない」「見通しに大きな変化がない限り、7月も利上げを続ける」などと発言すると、ECBの利上げ継続観測が改めて意識されてユーロ買い・ドル売りが進んだ。22時30分過ぎに一時1.0977ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、22日の高値1.1012ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。この日発表の米経済指標が良好な内容となったことも相場の重しとなり、一時1.0942ドル付近まで下押しする場面があった。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反発。終値は157.92円と前営業日NY終値(156.52円)と比べて1円40銭程度のユーロ高水準。大規模な金融緩和を維持する日銀と、利上げ継続方針を示すECBとの金融政策の違いが意識されて、円売り・ユーロ買いが進行。米国株相場が反発したことも投資家心理の改善につながり、相場の追い風となった。4時30分過ぎには一時157.94円と2008年9月以来約15年ぶりの高値を付けた。
 なお、ポンド円は一時183.76円と15年12月以来の高値を付けたほか、スイスフラン円は161.30円と史上最高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:143.29円 - 144.17円
ユーロドル:1.0902ドル - 1.0977ドル
ユーロ円:156.40円 - 157.94円

(中村)
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