ニューヨーク外国為替市場概況・24時 ドル円、底堅い

 28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は底堅い。24時時点では144.52円と22時時点(144.39円)と比べて13銭程度のドル高水準だった。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「あと2回の利上げが多数派」「政策は制約的だが、十分ではない」「連続利上げの可能性を選択肢から排除せず」と述べた一方、植田日銀総裁が「基調的なインフレは目標を下回っている」と発言すると、日米金融政策の違いを意識した円売り・ドル買いが強まり、一時144.62円と昨年11月以来の高値を付けた。
 ただ、植田総裁が「円相場を注視していく」と発言すると、政府・日銀による円買い介入への警戒から伸び悩む場面もあった。

 ユーロ円は伸び悩み。24時時点では157.51円と22時時点(157.79円)と比べて28銭程度のユーロ安水準。日欧金融政策の方向性の違いに着目した円売り・ユーロ買いが先行すると、23時前に158.00円と2008年9月以来15年ぶりの高値を付けた。ただ、政府・日銀による円買い介入への警戒から、上値は限定的だった。ユーロドルの下落につれた売りも相場の重し。
 なお、ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁は「基本シナリオ通りなら、7月に利上げする可能性が高い」「現時点では利上げ休止は考えていない」「コアインフレが低下している十分な証拠はない」などと述べた。

 ユーロドルは軟調。24時時点では1.0898ドルと22時時点(1.0928ドル)と比べて0.0030ドル程度のユーロ安水準だった。全般ドル買いが進んだ流れに沿って、24時前に一時1.0897ドルと日通し安値を更新した。市場では「月末・四半期末を控える中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだドル買いのフローが観測された」との指摘があった。

本日これまでの参考レンジ
ドル円:143.73円 - 144.62円
ユーロドル:1.0897ドル - 1.0963ドル
ユーロ円:157.44円 - 158.00円


(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。