東京為替見通し=ドル円、米10年債利回り3.9%台で底堅い展開か
5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回り上昇を背景に144.08円から144.70円付近まで反発した。ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)調査の1年先の期待インフレ率が前回から低下したことや米長期金利の上昇を受けて、1.0851ドルまで下落した。ユーロ円も一時156.79円まで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが3.90%台で推移していることで底堅い展開が予想される。ただし、依然として145円台での本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感は維持しておきたい。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が高いと警戒されている145円台を買い進むには、明晩発表される米6月雇用統計で、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)と年内もう一回の計0.50%(0.25%x2回)の追加利上げの確証が必要なのかもしれない。
公表された6月のFOMC議事録は、タカ派的スキップ(見送り)として7月FOMCでの11回目となる0.25%追加利上げの可能性を高める内容だった。内容を受けて米10年債利回りは3.94%台まで上昇し、ドルも押し上げられた。
なお、ドル円の上値を抑えている一因として、27-28日の日銀金融政策決定会合において長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)許容変動幅(※±0.5%)の拡大観測の台頭があるようだ。
背景には、6月日銀会合の「主な意見」で、YCCの早期修正論が取り上げられたこと。また、昨日発表された1-3月期の需給ギャップがマイナス0.34%になり、昨年10-12月期のマイナス0.37%から、2期ぶりに改善したこと。そして、連合が発表した平均賃上げ率が1993年以来の高水準となる前年比+3.58%を記録したことなどが挙げられる。
植田日銀総裁は、5月の講演で「物価は『需給ギャップ』によって決まってくる」と説明。基調的な物価が2%の物価安定目標に向けて徐々に高まっていくという現在の見通しは、「需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率が高まっていくということが前提」だと述べていた。
植田総裁は、YCC許容変動幅の拡大観測を否定しておらず、需給ギャップや賃金上昇率が改善傾向にあるため、変動幅の拡大に対する警戒感がドル円の上値を抑えている。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回りが3.90%台で推移していることで底堅い展開が予想される。ただし、依然として145円台での本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感は維持しておきたい。
本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性が高いと警戒されている145円台を買い進むには、明晩発表される米6月雇用統計で、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)と年内もう一回の計0.50%(0.25%x2回)の追加利上げの確証が必要なのかもしれない。
公表された6月のFOMC議事録は、タカ派的スキップ(見送り)として7月FOMCでの11回目となる0.25%追加利上げの可能性を高める内容だった。内容を受けて米10年債利回りは3.94%台まで上昇し、ドルも押し上げられた。
なお、ドル円の上値を抑えている一因として、27-28日の日銀金融政策決定会合において長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)許容変動幅(※±0.5%)の拡大観測の台頭があるようだ。
背景には、6月日銀会合の「主な意見」で、YCCの早期修正論が取り上げられたこと。また、昨日発表された1-3月期の需給ギャップがマイナス0.34%になり、昨年10-12月期のマイナス0.37%から、2期ぶりに改善したこと。そして、連合が発表した平均賃上げ率が1993年以来の高水準となる前年比+3.58%を記録したことなどが挙げられる。
植田日銀総裁は、5月の講演で「物価は『需給ギャップ』によって決まってくる」と説明。基調的な物価が2%の物価安定目標に向けて徐々に高まっていくという現在の見通しは、「需給ギャップが改善し、中長期的な予想物価上昇率や賃金上昇率が高まっていくということが前提」だと述べていた。
植田総裁は、YCC許容変動幅の拡大観測を否定しておらず、需給ギャップや賃金上昇率が改善傾向にあるため、変動幅の拡大に対する警戒感がドル円の上値を抑えている。
(山下)