ニューヨーク外国為替市場概況・27日 ドル円、4日続落

 27日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4日続落。終値は139.48円と前営業日NY終値(140.24円)と比べて76銭程度のドル安水準だった。4-6月期米国内総生産(GDP)速報値や前週分の米新規失業保険申請件数、6月米耐久財受注額、6月米住宅販売保留指数など、この日発表の米経済指標が軒並み予想を上回ったことが分かると、米景気の底堅さを意識したドル買いが先行。米10年債利回りが4.02%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、24時前に一時141.32円と日通し高値を更新した。
 ただ、日経新聞電子版が「日銀は28日まで開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正案を議論」「長期金利の操作の上限は0.5%のまま据え置くものの、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることも容認する案が浮上」と報じると一転下落した。日本の長期金利がYCCの上限となっている0.5%より上昇し、日米の金利差が縮小するとの観測から円買い・ドル売りが進んだ。アジア時間の安値139.38円を下抜けて一時138.77円まで値を下げた。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は3万3220円の本日高値から810円急落し3万2410円を付ける場面があった。

 ユーロドルは反落。終値は1.0979ドルと前営業日NY終値(1.1086ドル)と比べて0.0107ドル程度のユーロ安水準だった。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り0.25%の利上げを決めたと発表。声明では「金利はインフレ率を2%の中期目標に適時に戻すために必要な限り、十分に制限的な水準に設定されることになる」と表明し、「金利を十分に景気抑制的な水準にすることを確実にする」とした前回と異なり、次回会合での追加利上げを示唆しなかった。また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で、9月以降の金融政策方針について「金利据え置きもあり得る」と述べ、データ次第の姿勢を強調。ECBの明確な利上げ継続方針が示されなかったことから、全般ユーロ売りが優勢となった。
 さらに、良好な米経済指標が相次いだことで米金利が上昇すると、ドルを買う動きも強まり一時1.0966ドルと10日以来の安値を付けた。

 ユーロ円は大幅に4日続落。終値は153.12円と前営業日NY終値(155.48円)と比べて2円36銭程度のユーロ安水準。ECBの利上げ継続観測が後退する中、全般ユーロ売りが先行。日本時間28日2時に「日銀がYCC修正議論」と報じられると円買いが活発化し、一時152.19円と6月15日以来の安値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:138.77円 - 141.32円
ユーロドル:1.0966ドル - 1.1150ドル
ユーロ円:152.19円 - 156.24円

(中村)
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