ニューヨーク外国為替市場概況・28日 ドル円、5日ぶり反発

 28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は5営業日ぶりに反発。終値は141.16円と前営業日NY終値(139.48円)と比べて1円68銭程度のドル高水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している6月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターが前年比4.1%上昇と予想の4.2%を下回り、賃金インフレの動向をみる上で重要な4-6月期米雇用コスト指数が前期比1.0%上昇と予想の1.1%上昇を下回ったことが伝わると、FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まり、米国株相場が底堅く推移。投資家のリスク志向が改善し、全般円売りが優勢となった。ナイト・セッションの日経平均先物が大証終値比370円高の3万3140円まで上昇したことも相場の支援材料となり、アジア時間に付けた高値141.07円を上抜けて一時141.18円まで値を上げた。
 なお、東京市場では荒い値動きだった。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用を見直したことが伝わり、短時間で141.07円から138.07円まで急落する場面があった。

 ユーロドルは反発。終値は1.1016ドルと前営業日NY終値(1.0979ドル)と比べて0.0037ドル程度のユーロ高水準だった。欧州時間発表のユーロ圏各国の4-6月期国内総生産(GDP)速報値が底堅い結果だったことを受けて、ユーロ圏経済の過度な悪化懸念が後退し、ユーロ買い・ドル売りが先行。この日発表の米経済指標がインフレ圧力の高まりを示さなかったこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.1047ドルと日通し高値を更新した。

 ユーロ円は5日ぶりに大幅反発。終値は155.42円と前営業日NY終値(153.12円)と比べて2円30銭程度のユーロ高水準。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、米国株や日経平均先物の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いが出た。アジア時間の高値154.91円を上抜けると一時155.60円まで上値を伸ばした。アジア時間に付けた日通し安値151.42円からは4円超の上昇となった。

本日の参考レンジ
ドル円:138.07円 - 141.18円
ユーロドル:1.0944ドル - 1.1047ドル
ユーロ円:151.42円 - 155.60円

(中村)
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