NY株見通し-今週はパウエルFRB議長発言とエヌビディアの決算に注目

 今週のNY市場はパウエルFRB議長発言とエヌビディアの決算に注目。先週はダウ平均が2.21%安、S&P500が2.11%安、ナスダック総合が2.59%安とそろって2%超下落。S&P500が2月以来の3週続落となり、ナスダック総合は昨年12月以来の3週続落となった。ダウ平均は木曜日に6月1日以来の50日移動平均線を割り込み、先々週のナスダック総合、先週火曜日のS&P500に続いての短期トレンドライン割れとなった。週明けはモルガン・スタンレーが買い推奨を継続したエヌビディアが大幅高となり、半導体株を中心とするハイテク株が上昇し、主要3指数がそろって上昇してスタートしたものの、弱い経済指標を受けて中国の景気悪化懸念が強まったことや、フィッチ・レーティングの格下げ警告を受けて米大手銀の下落したことに加え、7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で利上げ長期化懸念が強まり、米10年債利回りが昨年10月21日以来の高水準となる4.32%台まで上昇したことも重しとなった。注目された小売り株の決算は決算が好感されたロス・ストアーズとTJXが週間で4%超上昇した一方、決算が嫌気されたウォルマートが2%安となり、決算が予想を上回ったホーム・デポも1%超下落した。ハイテク株は決算が予想を上回ったアプライド・マテリアルズ、シスコ・システムズが2%超上昇した一方、弱い見通しが嫌気されたキーサイト・テクノロジーズが17%安と急落した。

 今週はジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長発言とエヌビディアなどの決算に注目が集まる。カンザスシティー連銀主催の24-26日の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」では、25日午前10時05分(日本時間、25日午後11時05分)からパウエルFRB議長の講演が予定されており、金融政策を巡る発言が焦点となる。引き締めに積極的なタカ派的内容となれば、引き続き株式市場の重しとなることが警戒される。決算発表では水曜日引け後に発表されるエヌビディアの決算に注目が集まる。5月に発表された2024年度第1四半期(2-4月)決算では人工知能(AI)分野を含むデータセンター向けの売上高が2桁増となり、第2四半期の見通しも市場予想を上回ったことで株価が急騰し、Ai関連株相場をけん引した。5-7月期決算や8-10月期見通しが強いものとなれば、再びAi関連株の起爆剤となることが期待される。このほか経済指標は7月中古住宅販売件数、8月S&Pグローバル製造業・サービス業PMI速報値、7月新築住宅販売件数、7月耐久財受注、新規失業保険申請件数など。決算発表はエヌビディアのほか、ズーム・ビデオ、メドトロニック、ロウズ、アナログ・デバイセズ、ダラー・ツリーなど。
     
 今晩は主要な経済指標の発表はなし。企業決算は引け後にノードソン、ズーム・ビデオなどが発表予定。(執筆:8月21日、14:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。