ニューヨーク外国為替市場概況・1日 ドル円、反発

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は146.22円と前営業日NY終値(145.54円)と比べて68銭程度のドル高水準だった。米労働省が発表した8月米雇用統計では非農業部門雇用者数が18.7万人増と予想の17.0万人増を上回ったものの、6・7月分の数値が下方修正された。また、失業率は3.8%と予想以上に悪化し、昨年2月以来の高水準を記録。平均時給は前月比0.2%/前年比4.3%といずれも予想を下回った。米労働市場の過熱感の緩和が示されると、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退し、米金利の低下とともにドル売りが先行した。22時前には一時144.45円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。その後発表の8月米製造業PMI改定値や8月米ISM製造業景況指数、7月米建設支出が軒並み予想より強い内容だったことが分かると米金利の上昇とともに一転ドル買いが広がった。前日の高値146.25円を上抜けて、1時過ぎに146.29円まで上値を伸ばした。
 なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは雇用統計後に付けた4.05%台から4.19%台まで急上昇した。メスター米クリーブランド連銀総裁が「インフレは一定の進展があるものの、依然として高すぎる」「失業率は3.8%と依然として低い」と発言したことも米金利の上昇につながった。

 ユーロドルは続落。終値は1.0780ドルと前営業日NY終値(1.0843ドル)と比べて0.0063ドル程度のユーロ安水準だった。低調な米雇用統計を受けて、FRBによる現在の利上げサイクルが終了するとの観測が高まると全般ドル売りが先行。21時30分過ぎに一時1.0882ドルと本日高値を更新した。
 ただ、その後発表の米経済指標が軒並み予想を上回ると、米金利の上昇とともに一転ドル買いが優勢に。5時前には1.0772ドルと本日安値を付けた。

 ユーロ円も続落したが、下値は堅かった。終値は157.58円と前営業日NY終値(157.82円)と比べて24銭程度のユーロ安水準。しばらくは157円台後半でのもみ合いが続いていたが、米雇用統計の結果を受けてドル円が下落するとユーロ円にも売りが波及。22時前に一時157.06円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円が上昇するとユーロ円にも買い戻しが入り、157.91円付近まで持ち直す場面があった。

本日の参考レンジ
ドル円:144.45円 - 146.29円
ユーロドル:1.0772ドル - 1.0882ドル
ユーロ円:157.06円 - 157.97円

(中村)
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