ニューヨーク外国為替市場概況・31日 ドル円、反落

 31日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反落。終値は145.54円と前営業日NY終値(146.24円)と比べて70銭程度のドル安水準だった。米連邦準備理事会(FRB)が金融政策を判断するうえで重視している7月米個人消費支出(PCE)価格指数(デフレーター)で変動が激しい食品とエネルギーを除くコアデフレーターは前年比4.2%上昇と市場予想と一致し、インフレ圧力の根強さを示唆する内容と受け止められた。また、8月米シカゴ購買部協会景気指数は48.7と予想の44.1を上回り、ドルの買い戻しを誘った。23時前には一時146.23円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値146.25円が目先レジスタンスとして働くと失速した。ダウ平均の失速や米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りも入り、3時30分前には145.35円と日通し安値を更新した。市場では「月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだ円買いのフローが観測された」との声も聞かれた。

 ユーロドルは4営業日ぶりに反落。終値は1.0843ドルと前営業日NY終値(1.0923ドル)と比べて0.0080ドル程度のユーロ安水準だった。ユーロ圏のインフレ指標や欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨(7月27日分)を受けて、ECBの追加利上げ観測が後退すると、欧州債利回りが低下。全般ユーロ売りが広がった。1時30分前には1.0835ドルと日通し安値を更新した。

 ユーロ円は6日ぶりに反落。終値は157.82円と前営業日NY終値(159.74円)と比べて1円92銭程度のユーロ安水準。ECBが9月の理事会で追加利上げを決めるとの観測が後退する中、全般ユーロ売りが先行。ダウ平均の失速に伴うリスク回避の円買いやロンドン・フィキシングに絡んだ円買いのフローも入り一時157.62円まで値を下げた。

 メキシコペソは急落した。メキシコ中銀がペソ安に歯止めをかけるために導入している為替ヘッジ・プログラムについて「段階的に縮小する」と発表すると、ペソ売りが優勢となった。ドルペソは一時17.1065ペソ、ペソ円は8.53円までペソ安に振れた。メキシコの代表的な株式指数であるボルサ指数は2%超下落した。

本日の参考レンジ
ドル円:145.35円 - 146.25円
ユーロドル:1.0835ドル - 1.0940ドル
ユーロ円:157.62円 - 159.75円

(中村)
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