ニューヨーク外国為替市場概況・30日 ドル円、反発

 30日のニューヨーク外国為替市場でドル円は反発。終値は146.24円と前営業日NY終値(145.88円)と比べて36銭程度のドル高水準だった。8月ADP全米雇用報告が17.7万人増と予想の19.5万人増を下回り、米労働市場の過熱感の緩和が示されると、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げ観測が一段と後退。米金利の低下とともに全般ドル売りが優勢となった。4-6月期米国内総生産(GDP)改定値や個人消費、コアPCEが予想より弱い内容となったこともドル売りを促し、一時145.56円と日通し安値を更新した。
 ただ、その後発表の7月米住宅販売保留指数が予想を上回ったことが分かると買い戻しが優勢となり、146.29円付近まで持ち直した。米国株相場の上昇に伴うリスク・オンの円売りも出た。

 ユーロドルは3日続伸。終値は1.0923ドルと前営業日NY終値(1.0880ドル)と比べて0.0043ドル程度のユーロ高水準だった。8月独消費者物価指数(CPI)速報値が前年比で予想を上回ると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ継続観測が高まりユーロ買いが優勢となった。低調な米経済指標が相次いだこともドル売りを促し、23時前に一時1.0945ドルと15日以来約2週間ぶりの高値を付けた。その後の下押しも1.0917ドル付近にとどまった。

 ユーロ円は5日続伸。終値は159.74円と前営業日NY終値(158.72円)と比べて1円02銭程度のユーロ高水準。独インフレ指標の上振れを受けて、「ECBが9月の理事会で追加利上げを決める」との観測が高まるとユーロ買いが進んだ。米国株相場の上昇を背景にリスク・オンの円売り・ユーロ買いも入り、5時前には159.76円と2008年8月以来15年ぶりの高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:145.56円 - 146.54円
ユーロドル:1.0855ドル - 1.0945ドル
ユーロ円:158.55円 - 159.76円

(中村)
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