ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ドル円、4日ぶり反落

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は145.88円と前営業日NY終値(146.54円)と比べて66銭程度のドル安水準だった。米長期金利の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。21時30分前に一時147.37円と昨年11月以来約9カ月半ぶりの高値を付けた。
 ただ、23時発表の8月米消費者信頼感指数が106.1と予想の116.0より弱い数字となったほか、7月米JOLTS求人件数が882.7万件と予想の946.5万件を大幅に下回り約2年ぶりの低水準を記録すると、米長期金利の低下とともに一転ドル売りが優勢に。アジア時間の安値146.31円や前日の安値146.28円を下抜けて一時145.67円まで値を下げた。
 なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは4.23%台から4.10%台まで急低下した。米7年債入札が堅調だったことも米金利の低下につながった。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0880ドルと前営業日NY終値(1.0819ドル)と比べて0.0061ドル程度のユーロ高水準だった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、22時30分前に1.0782ドルと日通し安値を付けたものの、米労働指標が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)による追加利上げへの警戒が薄らぐと全般ドル売りが優勢に。4時30分前には一時1.0892ドルと日通し高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは104.36の本日高値から103.37の本日安値まで一転下落した。

 ユーロ円は小幅ながら4日続伸。終値は158.72円と前営業日NY終値(158.53円)と比べて19銭程度のユーロ高水準。ドル円の上昇につれた買いが入ると一時159.06円の日通し高値を付けたものの、米経済指標の下振れをきっかけにドル円が急落するとユーロ円にも売りが出た。0時30分過ぎには158.31円付近まで押し戻された。

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインは急伸。対ドルでは一時2万8137ドル前後、対円では410万円台まで大きく値を上げた。「ワシントンの連邦高裁ではこの日、判事3人で構成するパネルが米国初のビットコイン上場投資信託(ETF)の申請を退けた米証券取引委員会(SEC)の決定を覆す判断を下した」との報道をきっかけに、ビットコインを買う動きが広がった。

本日の参考レンジ
ドル円:145.67円 - 147.37円
ユーロドル:1.0782ドル - 1.0892ドル
ユーロ円:158.24円 - 159.06円

(中村)
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