ニューヨーク外国為替市場概況・20日 ドル円、年初来高値

 20日のニューヨーク外国為替市場でドル円は続伸。終値は148.34円と前営業日NY終値(147.86円)と比べて48銭程度のドル高水準だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前にポジション調整目的の売りが先行し、2時30分前に一時147.48円と日通し安値を付けたものの、FOMC結果公表後はドルを買い戻す動きが活発化した。取引終了間際には一時148.36円と昨年11月4日以来の高値を更新した。
 米連邦準備理事会(FRB)は19-20日に開いたFOMCで市場予想通りFFレートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置くことを決めたと発表。声明では景気認識を「堅調なペースで拡大している」と上方修正したうえで、2023年と24年の成長率見通しを引き上げた。また、政策金利見通し(ドット・チャート)では24年末の予想中央値を5.125%(前回4.625%)、25年末を3.875%(同3.375%)に引き上げた。FRBの金融引き締めが長期化するとの見方が改めて意識されると、米金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。
 なお、パウエルFRB議長はFOMC後の会見で「FRBは金利決定について慎重に進める」としながらも、「今後の決定はデータ次第」「経済活動は予想以上に好調」「適切であれば追加利上げの用意がある」などと語った。

 ユーロドルは続落。終値は1.0661ドルと前営業日NY終値(1.0679ドル)と比べて0.0018ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利の指標である米10年債利回りが4.31%台まで低下すると全般ドル売りが先行。1時30分過ぎに一時1.0737ドルと日通し高値を更新した。
 ただ、FOMCの決定が「タカ派的な据え置きだった」と受け止められると、米金利の上昇とともに一転ドル買いが広がった。市場では「FRBがタカ派色を強めた」との見方もあり、ドル買いを促した。5時過ぎには一時1.0650ドルと日通し安値を更新した。
 なお、米長期金利の指標である米10年債利回りは一時4.4070%前後と07年11月以来の高水準を付けたほか、金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは5.1758%前後と06年7月以来の高水準を記録した。

 ユーロ円は小幅ながら3日続伸。終値は158.15円と前営業日NY終値(157.90円)と比べて25銭程度のユーロ高水準。欧州株相場の上昇に伴う円売り・ユーロ買いが先行すると一時158.45円と日通し高値を付けたものの、FOMC後にユーロドルが失速するとユーロ円にも売りが波及した。米国株相場の下落も相場の重しとなり、4時30分過ぎには157.91円付近まで上値を切り下げた。

本日の参考レンジ
ドル円:147.48円 - 148.36円
ユーロドル:1.0650ドル - 1.0737ドル
ユーロ円:157.77円 - 158.45円

(中村)
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