週間為替展望(豪ドル/ZAR)- NZドル、総選挙の結果に警戒
◆豪ドル、RBA要人の講演や9月雇用統計に注目
◆NZドル、週末の選挙結果に警戒
◆ZAR、米金利の上下につれて神経質な動き
予想レンジ
豪ドル円 93.50-97.00円
南ア・ランド円 7.60-8.10円
10月16日週の展望
豪ドルは神経質な動きを見せるが、上値は限られそうだ。今週は中東情勢の混迷を嫌気しリスク回避の動きで米債買い(利回り低下)となっただけでなく、米連邦準備理事会(FRB)関係者が相次いでハト派と捉えられる発言を繰り返したこともドル売りの原因になり豪ドルを支えた。6日には米10年債利回りが4.88%台まで上昇したが、この水準は金融危機時を超えている。FRB高官が金利上昇による弊害を警戒しているとの観測が高い。もっとも、米国のインフレ傾向は依然として根強いことから、急速に上昇した米金利の調整が終わった後は、改めて米豪の金融政策の方向性の相違が意識されることになるだろう。豪ドルの重しであることに変わりはない。
来週は16日にジョーンズRBA理事、18日にブロックRBA総裁がそれぞれ講演する。また、17日には3日に開催されたRBA理事会の議事要旨が公表される。理事会では政策金利を4.10%に据え置き、声明文もタカ派的な据え置きだったが、ロウ前総裁時とほぼ変わらない内容でサプライズはなかった。ただ、今回の講演などで声明文と相違ある発言が出た場合、豪ドルは動意づきそうだ。経済指標では19日に発表される9月の雇用統計に注目が集まる。
NZでは、今週末に行われる総選挙が最大の注目。現与党・労働党がNZ準備銀行(RBNZ)の責務として、インフレ率を1-3%に維持するという目標に加え、FRBのように持続可能な最大雇用も追加した。しかし、中道右派の野党・国民党は、雇用目標の追加でインフレ低下が後手に回ったとし、雇用目標を責務から削ろうとしている。選挙は接戦となり、両党ともに単独過半数獲得が難しい情勢。国民党勝利で連立政権をすぐに樹立できれば、雇用目標削除によるインフレ対策強化でNZドル買い、一方、連立政権が難航し、いわゆる、ハングパーラメントの状況となれば、NZドル売りの反応となりそうだ。なお、NZでは17日に7-9月期消費者物価指数(CPI)、20日に9月貿易収支が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いか。国内のインフレ傾向が鮮明となっていることから、11月の利上げ予想が高まっているが、ZARは基本的には米金利動向に左右されている。今週のように米金利が低下傾向をたどれば、FRBの利上げスピードに南アの金融政策が追いつくことになり、金利面ではZAR買い要因。ただ、インフレ高進で雇用や景気が悪化傾向となっていることから、利上げは中長期的にZARの重しとなる。経済指標では18日に8月小売売上高が発表予定。
10月9日週の回顧
豪ドルは行って来いの動きだった。米長期金利が急激な低下となったことから全般ドル売りが先行。対ドルでは0.64ドル半ばまで買われる場面もみられたが、週末にかけては、強い米CPIをきっかけに米金利が一転して急騰すると戻り売りに押されている。ZARは堅調な動きになった。中東情勢の混迷を嫌気し、週明けこそ対ドル・対円とも安く始まったが、米金利の低下を受けて買い戻しの動きとなった。ただ、週末にかけては米金利が一転して急騰しており、上値を押さえている。(了)
◆NZドル、週末の選挙結果に警戒
◆ZAR、米金利の上下につれて神経質な動き
予想レンジ
豪ドル円 93.50-97.00円
南ア・ランド円 7.60-8.10円
10月16日週の展望
豪ドルは神経質な動きを見せるが、上値は限られそうだ。今週は中東情勢の混迷を嫌気しリスク回避の動きで米債買い(利回り低下)となっただけでなく、米連邦準備理事会(FRB)関係者が相次いでハト派と捉えられる発言を繰り返したこともドル売りの原因になり豪ドルを支えた。6日には米10年債利回りが4.88%台まで上昇したが、この水準は金融危機時を超えている。FRB高官が金利上昇による弊害を警戒しているとの観測が高い。もっとも、米国のインフレ傾向は依然として根強いことから、急速に上昇した米金利の調整が終わった後は、改めて米豪の金融政策の方向性の相違が意識されることになるだろう。豪ドルの重しであることに変わりはない。
来週は16日にジョーンズRBA理事、18日にブロックRBA総裁がそれぞれ講演する。また、17日には3日に開催されたRBA理事会の議事要旨が公表される。理事会では政策金利を4.10%に据え置き、声明文もタカ派的な据え置きだったが、ロウ前総裁時とほぼ変わらない内容でサプライズはなかった。ただ、今回の講演などで声明文と相違ある発言が出た場合、豪ドルは動意づきそうだ。経済指標では19日に発表される9月の雇用統計に注目が集まる。
NZでは、今週末に行われる総選挙が最大の注目。現与党・労働党がNZ準備銀行(RBNZ)の責務として、インフレ率を1-3%に維持するという目標に加え、FRBのように持続可能な最大雇用も追加した。しかし、中道右派の野党・国民党は、雇用目標の追加でインフレ低下が後手に回ったとし、雇用目標を責務から削ろうとしている。選挙は接戦となり、両党ともに単独過半数獲得が難しい情勢。国民党勝利で連立政権をすぐに樹立できれば、雇用目標削除によるインフレ対策強化でNZドル買い、一方、連立政権が難航し、いわゆる、ハングパーラメントの状況となれば、NZドル売りの反応となりそうだ。なお、NZでは17日に7-9月期消費者物価指数(CPI)、20日に9月貿易収支が発表される。
南アフリカ・ランド(ZAR)はもみ合いか。国内のインフレ傾向が鮮明となっていることから、11月の利上げ予想が高まっているが、ZARは基本的には米金利動向に左右されている。今週のように米金利が低下傾向をたどれば、FRBの利上げスピードに南アの金融政策が追いつくことになり、金利面ではZAR買い要因。ただ、インフレ高進で雇用や景気が悪化傾向となっていることから、利上げは中長期的にZARの重しとなる。経済指標では18日に8月小売売上高が発表予定。
10月9日週の回顧
豪ドルは行って来いの動きだった。米長期金利が急激な低下となったことから全般ドル売りが先行。対ドルでは0.64ドル半ばまで買われる場面もみられたが、週末にかけては、強い米CPIをきっかけに米金利が一転して急騰すると戻り売りに押されている。ZARは堅調な動きになった。中東情勢の混迷を嫌気し、週明けこそ対ドル・対円とも安く始まったが、米金利の低下を受けて買い戻しの動きとなった。ただ、週末にかけては米金利が一転して急騰しており、上値を押さえている。(了)