週間為替展望(豪ドル/ZAR)-ZAR、金融政策方針に大きな変化なし

◆ZAR、予想通りの金利据え置きで金融政策方針も大きな変化なし
◆豪ドル、豪米金融政策の方向性を手掛かりに伸び悩み
◆豪ドル、9月RBA理事会議事要旨では目新しい材料を得られず

予想レンジ
豪ドル円 92.00-96.00円
南ア・ランド円 7.50-8.00円

9月25日週の展望
 豪ドルは上値の重い展開となりそうだ。今週公表された5日開催分の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨では「金融政策のさらなる引き締めが必要となる可能性があるとの認識で一致」などの見解が示されたが、目新しい材料は伝わらなかった。すでに3会合連続で金利が据え置かれていることもあり、市場ではRBAの引き締めサイクルは終了したとの思惑が広がりつつある。

 一方で、今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通り金利据え置きとなったものの、政策金利見通し(ドット・チャート)で2024年末の予想中央値が引き上げられるなど、米金融引き締めの長期化観測が高まった。豪米金融政策の方向性を手掛かりにした豪ドル売り・ドル買い圧力が強まりやすい状況にあり、対ドルを中心に豪ドルは伸び悩む動きが予想される。

 来週は27日に8月消費者物価指数(CPI)、28日に8月小売売上高の発表が予定されている。注目を集める8月CPIでインフレの鈍化傾向が鮮明になれば、一段の豪ドル売り材料として意識されるだろう。なお、現時点の市場予想によると8月CPIは前年比で5%台(7月は4.9%)を回復すると見込まれている。

 隣国NZでは28日に9月ANZ企業信頼感の発表が予定されているが、NZドル相場への影響は限られるだろう。10月4日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表を控えるなか、徐々にイベント前の様子見ムードが強まりそうだ。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開か。21日の南アフリカ準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)では2会合連続での金利据え置きを決定。5人の委員のうち3人が据え置き、2人が25bpの利上げを主張しており、こちらも前回から変わらなかった。声明ではインフレ見通しに対するリスクが残存していることを指摘したものの、今後の金融政策見通しに大きな変化はなさそうだ。SARBの方針に大きな変化がない以上、金融引き締めの長期化観測が高まった米国と比較すると、金利面ではドル買い・ZAR売りに傾きやすくなるだろう。

 なお、来週は25日が伝統文化継承の日の振替休日で休場。28日に8月卸売物価指数(PPI)、29日に8月貿易収支の発表が予定されている。インフレ関連指標には注意する必要があるものの、ZAR相場を主導するような材料となる可能性は低い。

9月18日週の回顧
 豪ドルは上値の重い動き。週明けから対ドル・対円で豪ドルは底堅く推移し、対円では7月以来の高値を更新する場面も見られた。ただ、FOMC後は全般にドル買いが強まった流れに沿って、豪ドル売り・ドル買いが進行。豪ドル円もつれ安となり、週初からの上昇分を吐き出す格好となった。

 ZARも豪ドルと同様に週明けから買い先行となったが、FOMC後は対ドル・対円ともに上値の重さが意識された。(了)
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