週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、RBAのサプライズに警戒
◆豪ドル、RBAは据え置き予想も声明文などでのサプライズには警戒
◆豪ドル、中国の経済指標も相場を左右
◆ZAR、財政赤字拡大が懸念材料
予想レンジ
豪ドル円 92.00-96.00円
南ア・ランド円 7.40-8.00円
9月4日週の展望
豪ドルはもみ合いを予想している。米経済の先行き不透明感が強まり、この数週間、豪ドルは方向感がつかめないでいる。当面、この流れが続くことが予想され、豪ドルは対ドル・対円ともにレンジ中でのもみ合いが繰り返される可能性が高い。
ただ、その中でも来週大きく豪ドルを動意づかせる可能性があるとすれば、5日に予定されている豪準備銀行(RBA)理事会だろう。市場では25bpの利上げ予想もあるが、大半は据え置き予想となっている。今週8月30日に発表された、7月の豪消費者物価指数(CPI)が、6月の5.4%や予想の5.2%を大きく下回り4.9%まで低下した。住宅価格が7.3%、アルコール飲料を除く食品が5.6%上昇したものの、燃料価格が7.6%低下したことがインフレ率低下に寄与した。8月に入り原油価格が上昇しているものの、インフレ抑制効果が出ていることでRBAが利上げに傾くとの予想は少数派。声明文などでサプライズが無ければ無風で終わる可能性もある。しかし、当局から引き続きタカ派寄りの見解が繰り返されるか、または、逆にハト派寄りに大きく傾いた場合には警戒が必要だ。
RBA理事会以外には、4-6月期の国際収支が5日に発表され、翌6日には国内総生産(GDP)が公表される。7日には7月貿易収支が予定されているほか、ロウRBA総裁が講演する。また、中国からは5日に8月Caixinサービス部門PMI、7日に貿易収支、9日にCPIと卸売物価指数(PPI)などが発表されるが、これらの指標結果も豪ドルに影響を与えることになりそうだ。なお、RBA総裁については、18日よりブロック副総裁が新総裁に就任する予定だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が限られそうだ。この数カ月のZAR相場は、需給的な動きから月序盤はZAR安になる傾向が強い。また、今週発表された南アの財政赤字拡大を懸念し、10月25日に予定されている中期予算政策にも影響を与える可能性が高まっていることも重し。経済指標では、5日に4-6月期GDP、6日に7-9月期BER企業信頼感、7日に7-9月期BER消費者信頼感、4-6月期経常収支が発表される。
8月28日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円ともに小高く推移した。米経済指標がさえない結果だったことをきっかけに、豪ドル買いが進行した。また、米金利低下により、株式市場が底堅い動きを見せたことも、リスク選好の動きが支えとなった。中国国家発展改革委員会(発改委)が内需拡大のためにマクロ政策の調整を強化すると表明したことも、豪ドル買いにつながった。なお、豪州の月次CPIが市場予想より弱い結果となったことで、一時上値を抑える場面もあったが反応は限られた。ZARは対円、対ドルともに上値が抑えられた。豪ドル同様に米金利低下によるドル売り・ランド買いと、株価上昇のランド円買いが支援材料になった。ただし、月末にかけては、ロンドンフィックスなどでの需給のZAR売りが上値を抑えた。(了)
◆豪ドル、中国の経済指標も相場を左右
◆ZAR、財政赤字拡大が懸念材料
予想レンジ
豪ドル円 92.00-96.00円
南ア・ランド円 7.40-8.00円
9月4日週の展望
豪ドルはもみ合いを予想している。米経済の先行き不透明感が強まり、この数週間、豪ドルは方向感がつかめないでいる。当面、この流れが続くことが予想され、豪ドルは対ドル・対円ともにレンジ中でのもみ合いが繰り返される可能性が高い。
ただ、その中でも来週大きく豪ドルを動意づかせる可能性があるとすれば、5日に予定されている豪準備銀行(RBA)理事会だろう。市場では25bpの利上げ予想もあるが、大半は据え置き予想となっている。今週8月30日に発表された、7月の豪消費者物価指数(CPI)が、6月の5.4%や予想の5.2%を大きく下回り4.9%まで低下した。住宅価格が7.3%、アルコール飲料を除く食品が5.6%上昇したものの、燃料価格が7.6%低下したことがインフレ率低下に寄与した。8月に入り原油価格が上昇しているものの、インフレ抑制効果が出ていることでRBAが利上げに傾くとの予想は少数派。声明文などでサプライズが無ければ無風で終わる可能性もある。しかし、当局から引き続きタカ派寄りの見解が繰り返されるか、または、逆にハト派寄りに大きく傾いた場合には警戒が必要だ。
RBA理事会以外には、4-6月期の国際収支が5日に発表され、翌6日には国内総生産(GDP)が公表される。7日には7月貿易収支が予定されているほか、ロウRBA総裁が講演する。また、中国からは5日に8月Caixinサービス部門PMI、7日に貿易収支、9日にCPIと卸売物価指数(PPI)などが発表されるが、これらの指標結果も豪ドルに影響を与えることになりそうだ。なお、RBA総裁については、18日よりブロック副総裁が新総裁に就任する予定だ。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が限られそうだ。この数カ月のZAR相場は、需給的な動きから月序盤はZAR安になる傾向が強い。また、今週発表された南アの財政赤字拡大を懸念し、10月25日に予定されている中期予算政策にも影響を与える可能性が高まっていることも重し。経済指標では、5日に4-6月期GDP、6日に7-9月期BER企業信頼感、7日に7-9月期BER消費者信頼感、4-6月期経常収支が発表される。
8月28日週の回顧
豪ドルは対ドル・対円ともに小高く推移した。米経済指標がさえない結果だったことをきっかけに、豪ドル買いが進行した。また、米金利低下により、株式市場が底堅い動きを見せたことも、リスク選好の動きが支えとなった。中国国家発展改革委員会(発改委)が内需拡大のためにマクロ政策の調整を強化すると表明したことも、豪ドル買いにつながった。なお、豪州の月次CPIが市場予想より弱い結果となったことで、一時上値を抑える場面もあったが反応は限られた。ZARは対円、対ドルともに上値が抑えられた。豪ドル同様に米金利低下によるドル売り・ランド買いと、株価上昇のランド円買いが支援材料になった。ただし、月末にかけては、ロンドンフィックスなどでの需給のZAR売りが上値を抑えた。(了)