週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBAの金融政策に注目

◆豪ドル、RBA四半期金融政策報告でのインフレ見通しがポイント
◆豪ドル、CPIでインフレ鈍化傾向を確認
◆ZAR、商品価格の上昇が相場を下支え

予想レンジ
豪ドル円 91.00-97.00円
南ア・ランド円 7.60-8.20円

7月31日週の展望
 豪ドルは神経質な展開となりそうだ。注目は8月1日に公表される豪準備銀行(RBA)の金融政策。前回の議事要旨では「8月理事会で改めて追加利上げの必要性を協議する方針」などが示されており、RBAが利上げを再開するか注目される。

 もっとも、今週に発表された4-6月期の四半期消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、前期からのインフレ鈍化傾向も確認された。同時に公表された6月CPIは前年比5.4%となり、依然としてインフレ目標(2-3%)を上回っているものの、5月に公表された四半期金融政策報告内の見通し(6月時点で6.25%)は下回っている。市場ではインフレ鈍化により利上げ圧力は弱まったとの見方が大勢となり、金利先物市場では8月理事会での利上げ織り込み度が急低下している。声明文などでインフレ警戒姿勢が弱まれば豪ドルにとって重しとなるだろう。

 今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が次回会合での金利据え置きの可能性に言及したが、来週のRBA理事会通過後に豪・米の金融政策を受けた相場の方向性を改めて探りたいところだ。
なお、来週は理事会のほかにも8月1日に6月住宅建設許可件数、8月3日に6月貿易収支、8月4日にRBA四半期金融政策報告が公表される。特に四半期金融政策報告では最新のインフレ見通しを確認しておきたい。

 隣国ニュージーランド(NZ)では、31日に7月ANZ企業信頼感、8月1日に6月住宅建設許可件数、8月2日に4-6月期雇用統計が公表予定。8月2日の雇用統計が予想と乖離した場合は、発表が早朝の商いが薄い時間帯ということもありNZドルが動意づく可能性に注意しておきたい。

 南アフリカ・ランド(ZAR)も神経質な展開となりそうだ。南アフリカからは来週に6月貿易収支の発表が予定されているが、相場への影響は限られるだろう。足もとでは世界的な利上げサイクルが一服しつつあることを手掛かりに金やプラチナなどの商品価格が上昇。資源産出国であるZARを下支えする構図となっている。
対ドルではZAR買い基調が維持されているが、対円については日銀金融政策決定会合を通過した来週以降に円相場全般の動向を見極める必要がありそうだ。

7月24日週の回顧
 豪ドルは伸び悩み。中国の景気支援策への期待から中国・香港株などが上昇したことを受け、リスクに敏感な豪ドルは買いが先行した。もっとも、27日には対ドル・対円で豪ドルが戻り売りに押されるなど買いの勢いも長続きはしなかった。

 ZARも週央以降は伸び悩んだが、対ドルでは2月以来の水準までZAR高が進むなど底堅い地合いを維持。対円でも一時年初来の高値を更新する場面が見られたものの、週末にかけては値を消した。(了)
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