週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBA、利上げ休止を示唆

◆豪ドル、2月CPIを受けた反応に注意
◆NZ、金利先高観では有利な状況
◆南ア、SARBは利上げ局面終了を示すか

予想レンジ
豪ドル円 86.00-91.00円
南ア・ランド円 6.90-7.45円

3月27日週の展望
 豪ドルは神経質な展開となりそうだ。3月分の豪準備銀行(RBA)金融政策決定会合議事要旨では「次回会合で利上げ休止について再検討する」などの見解が示された。短期金融市場ではすでに利上げ局面の休止と7月会合での利下げ転換を織り込み始めており、金利先高観は急速に後退している。

 また、米国でも利上げ期待は後退。21-22日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では市場予想通りに0.25%の利上げが決定されたものの、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で「利上げ休止を検討した」ことを明らかにした。また、声明文でも利上げが近くいったん停止される可能性があることが示唆されている。

 豪・米金融当局がともに利上げ休止を示唆していることで、両国間の金融政策の方向性には焦点が当てづらくなった。豪ドルも対ドルでは7日のRBA金融政策決定会合を受けた下げ幅をほぼ取り戻しているが、一方で対円では売り基調が続いている。金融不安も完全に解消されたとは言えず、豪ドルの買い材料が多いわけではない点には注意が必要だ。
豪州からは来週、28日に2月小売売上高、29日に 2月消費者物価指数(CPI)が発表予定。特にCPIは結果を受けた反応も大きくなることが予想される。RBAの金融政策の方向性にも影響を与えるため注目しておきたい。

 隣国NZからは30日に2月住宅建設許可件数や3月ANZ企業信頼感などが発表される。4月5日にはNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策も予定されているが、RBNZは利上げ継続が基本路線。短期金融市場では5月以降の追加利上げもある程度織り込んでおり、金利先高観という点では有利な状況にある。NZドルは相対的に底堅い動きとなりそうだ。

 南アフリカ・ランド(ZAR)も神経質な展開か。最大の注目は30日に予定されている南アフリカ準備銀行(SARB)の金融政策。市場では25bpの利上げ(7.25%から7.50%)が実施され、今回でSARBの利上げ局面は終了すると想定している。深刻な電力不足などで景気低迷に陥っている同国では、利上げ終了がポジティブ要因として捉えられる可能性もあるだろう。声明文などから今後の金融政策の方向性を確認しておきたい。

3月20日週の回顧
 豪ドルは下値の堅い動き。3月分のRBA議事要旨を受けて21日に売りが進む場面があったが、その後は下げ渋る展開に。金融システム不安の後退で投資家のリスク志向が改善し、豪ドルには買い戻しが入った。
 
 ZARも下値が堅かった。週初こそ売りに押されたが、22日のFOMC公表後は対ドルを中心に買い戻しの動きが進んだ。対円でも20日に年初来安値を更新した後は下値を切り上げる展開となり、売りも一服した。(了)
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