週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBA、GDPで経済評価修正も
◆豪ドル、GDPの結果次第では経済情勢の評価修正の可能性も
◆豪ドル/NZドル、両中銀の方向性が鮮明になれば上値を抑えることに
◆ZAR、予算案も支えにならず上値が重い
予想レンジ
豪ドル円 89.00-93.50円
南ア・ランド円 7.00-7.50円
2月27日週の展望
豪ドルは、神経質な動きになりそうだ。今週発表された豪準備銀行(RBA)議事要旨では、引き続き利上げを示唆した内容だった。また、ロウRBA総裁は15日の上院議会証言でも、「豪州のインフレがピークに達していない」ことも主張している。本来ならば、RBAが引き続きタカ派姿勢を貫くと見込むべきだが、先週の講演でロウ総裁は「数週間のうちに経済情勢を再評価する」とも発言しており、市場はこの数週間内の経済指標等により、RBAが経済評価の修正をする可能性もあるのではないかと見込んでいる。
今週発表された指標では、10-12月期の賃金指数は市場予想を下回った。一方で、同期の民間設備投資は市場予想を上回り、前期も上方修正されるなど、経済指標は強弱が分かれている。まちまちの結果となったこともあり、市場では「来週3月1日発表予定の同期国内総生産(GDP)が、今後のRBAの方針を占う上で最重要になるのではないか」との声が強い。GDP以外の経済指標では28日に10-12月期国際収支、1月小売売上高、そして3月1日に1月の消費者物価指数(CPI)が発表される。RBAが経済情勢の判断に敏感になっていることから、各指標の結果次第で豪ドルが反応することになりそうだ。
また、NZからは27日に10-12月期小売売上高、28日にANZ企業景況感・企業活動見通し、3月1日に1月住宅建設許可件数が発表予定。今週20日には豪ドル/NZドルが昨年10月後半以来の水準まで上昇したが、22日のNZ準備銀行(RBNZ)金融政策委員会(MPC)で政策金利を0.50%引き上げたこともありNZドルは対豪ドルで買い戻しが進んでいる。もし、RBAの経済見通しに変更が生じた場合は、両中銀の方向性の違いが鮮明になり、豪ドル/NZドルが大きく動く可能性が高い。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重くなりそうだ。今週に入り電力設備容量の半分以上が使用できなくなり、電力問題はさらに悪化。南アフリカ準備銀行(SARB)は「今年のGDP成長率の2%を電力制限の影響で失う」との見解を示したが、予想よりも厳しい状況が続いており、2%では収まらない可能性が高くなってきている。ZARの上値を抑えることになりそうだ。来週は28日に10-12月期の失業率が発表される。前期は若年層を含め失業率は若干改善したが、この傾向が続くかに注目。食品インフレが2009年以来の水準まで上昇しているなど、国民の不満がたまっていることもあり、失業率が高止まりした場合は、治安の乱れが予想される。また、同日には1月貿易収支も発表予定。
2月20日週の回顧
豪ドルは小幅安だった。10-12月期賃金指数が弱かったほか、株安がリスク回避に敏感な豪ドルの上値を抑えた。なお、豪ドル/NZドルは週初に昨年10月以来の水準まで上昇したが、週後半は売り優勢となった。ZARは予算案で国営電力会社エスコムへの救済額が大きかったことや、来年度の政府支出が抑制されたことを好感して買われる場面もあった。しかしながら、電力のひっ迫や、政治的な不安定さが重しとなり上値が抑えられ対ドルでは年初来安値を更新した。(了)
◆豪ドル/NZドル、両中銀の方向性が鮮明になれば上値を抑えることに
◆ZAR、予算案も支えにならず上値が重い
予想レンジ
豪ドル円 89.00-93.50円
南ア・ランド円 7.00-7.50円
2月27日週の展望
豪ドルは、神経質な動きになりそうだ。今週発表された豪準備銀行(RBA)議事要旨では、引き続き利上げを示唆した内容だった。また、ロウRBA総裁は15日の上院議会証言でも、「豪州のインフレがピークに達していない」ことも主張している。本来ならば、RBAが引き続きタカ派姿勢を貫くと見込むべきだが、先週の講演でロウ総裁は「数週間のうちに経済情勢を再評価する」とも発言しており、市場はこの数週間内の経済指標等により、RBAが経済評価の修正をする可能性もあるのではないかと見込んでいる。
今週発表された指標では、10-12月期の賃金指数は市場予想を下回った。一方で、同期の民間設備投資は市場予想を上回り、前期も上方修正されるなど、経済指標は強弱が分かれている。まちまちの結果となったこともあり、市場では「来週3月1日発表予定の同期国内総生産(GDP)が、今後のRBAの方針を占う上で最重要になるのではないか」との声が強い。GDP以外の経済指標では28日に10-12月期国際収支、1月小売売上高、そして3月1日に1月の消費者物価指数(CPI)が発表される。RBAが経済情勢の判断に敏感になっていることから、各指標の結果次第で豪ドルが反応することになりそうだ。
また、NZからは27日に10-12月期小売売上高、28日にANZ企業景況感・企業活動見通し、3月1日に1月住宅建設許可件数が発表予定。今週20日には豪ドル/NZドルが昨年10月後半以来の水準まで上昇したが、22日のNZ準備銀行(RBNZ)金融政策委員会(MPC)で政策金利を0.50%引き上げたこともありNZドルは対豪ドルで買い戻しが進んでいる。もし、RBAの経済見通しに変更が生じた場合は、両中銀の方向性の違いが鮮明になり、豪ドル/NZドルが大きく動く可能性が高い。
南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が重くなりそうだ。今週に入り電力設備容量の半分以上が使用できなくなり、電力問題はさらに悪化。南アフリカ準備銀行(SARB)は「今年のGDP成長率の2%を電力制限の影響で失う」との見解を示したが、予想よりも厳しい状況が続いており、2%では収まらない可能性が高くなってきている。ZARの上値を抑えることになりそうだ。来週は28日に10-12月期の失業率が発表される。前期は若年層を含め失業率は若干改善したが、この傾向が続くかに注目。食品インフレが2009年以来の水準まで上昇しているなど、国民の不満がたまっていることもあり、失業率が高止まりした場合は、治安の乱れが予想される。また、同日には1月貿易収支も発表予定。
2月20日週の回顧
豪ドルは小幅安だった。10-12月期賃金指数が弱かったほか、株安がリスク回避に敏感な豪ドルの上値を抑えた。なお、豪ドル/NZドルは週初に昨年10月以来の水準まで上昇したが、週後半は売り優勢となった。ZARは予算案で国営電力会社エスコムへの救済額が大きかったことや、来年度の政府支出が抑制されたことを好感して買われる場面もあった。しかしながら、電力のひっ迫や、政治的な不安定さが重しとなり上値が抑えられ対ドルでは年初来安値を更新した。(了)