週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBA、12月会合に向けたヒント示さず
◆豪ドル、ドル売り一巡後は再び上値が重くなる可能性も
◆RBNZ、利上げペースを加速か
◆ZAR、対ドルで下落トレンドに変化生まれるかに注意
予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.90-8.30円
11月21日週の展望
豪ドルは伸び悩む展開か。豪準備銀行(RBA)は15日に公表した11月開催分の理事会議事要旨で「金利はあらかじめ設定された経路上にあるわけではない」ことを改めて強調。「より大きな利上げに戻ることを排除しない」「一定期間金利を据え置く用意がある」などの見解を示し、次回12月理事会への明確なヒントは残さなかった。
市場では12月にRBAは25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施するとの予想が優勢となっているが、やはり気になるのは対米金利差の行方。米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月に少なくとも50bpの利上げを実施すると想定されているだけに、対ドルでは金利面で不利な状況にある。
米消費者物価指数(CPI)などのインフレ指標が予想を下回る結果となったことを受け、市場ではこれまで積み上げてきたドル買いポジションを圧縮したことから、結果的に対ドルでは豪ドルの買い戻しが進んだ格好となったが、持ち高調整の動きが一巡すれば再び豪ドルの上値が重くなる可能性もありそうだ。なお、来週は豪州から主だった経済指標の発表は予定されておらず、基本的には外部要因に左右される展開となるだろう。
隣国NZでは22日に10月貿易収支、23日にNZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)の政策金利発表が予定されている。市場ではRBNZが利上げペースを加速させ、75bpの利上げに踏み切ると予想されており、RBAとの利上げペースの違いが意識されることになるだろう。再任が決まった(2023年3月から5年間)オア総裁の次の一手にも注目しておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開か。4月からのZAR下落トレンドは正念場を迎えている。足もとのドル安・ZAR高調整によってトレンドラインに接近。同線を明確に抜けることができれば、テクニカル的にZAR買いの余地が拡大するだけに注目しておきたい。もっとも、足もとの動きはあくまでドル安の影響に過ぎず、ZAR独自の買い材料が乏しいことも軽視すべきではないだろう。
なお、来週は23日に10月CPIが発表されるほか、24日には南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)が金融政策を公表する。市場では現行の6.25%から7.00%へと75bpの利上げが実施される予想となっている。米国との金利差拡大は対ドルでポジティブに働く可能性が高い一方、すでにマイナス成長となっている同国景気をさらに冷やすことになりかねない点には注意が必要だ。
11月14日週の回顧
豪ドルは底堅い動き。米利上げペースが鈍化するとの思惑が市場で根強く残るなか、対ドルを中心にやや買いが入った。対円でも底堅く推移したが、先月中旬から形成されたレンジ内にとどまっており、積極的に買いを進める展開とはならなかった。
ZARは対ドル・対円でともにもみ合い。手掛かり材料難の週だったほか、来週に中銀金融政策決定会合を控えていることもあり、週を通じて手控えムードが広がった。(了)
◆RBNZ、利上げペースを加速か
◆ZAR、対ドルで下落トレンドに変化生まれるかに注意
予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.90-8.30円
11月21日週の展望
豪ドルは伸び悩む展開か。豪準備銀行(RBA)は15日に公表した11月開催分の理事会議事要旨で「金利はあらかじめ設定された経路上にあるわけではない」ことを改めて強調。「より大きな利上げに戻ることを排除しない」「一定期間金利を据え置く用意がある」などの見解を示し、次回12月理事会への明確なヒントは残さなかった。
市場では12月にRBAは25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施するとの予想が優勢となっているが、やはり気になるのは対米金利差の行方。米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月に少なくとも50bpの利上げを実施すると想定されているだけに、対ドルでは金利面で不利な状況にある。
米消費者物価指数(CPI)などのインフレ指標が予想を下回る結果となったことを受け、市場ではこれまで積み上げてきたドル買いポジションを圧縮したことから、結果的に対ドルでは豪ドルの買い戻しが進んだ格好となったが、持ち高調整の動きが一巡すれば再び豪ドルの上値が重くなる可能性もありそうだ。なお、来週は豪州から主だった経済指標の発表は予定されておらず、基本的には外部要因に左右される展開となるだろう。
隣国NZでは22日に10月貿易収支、23日にNZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)の政策金利発表が予定されている。市場ではRBNZが利上げペースを加速させ、75bpの利上げに踏み切ると予想されており、RBAとの利上げペースの違いが意識されることになるだろう。再任が決まった(2023年3月から5年間)オア総裁の次の一手にも注目しておきたい。
南アフリカ・ランド(ZAR)は神経質な展開か。4月からのZAR下落トレンドは正念場を迎えている。足もとのドル安・ZAR高調整によってトレンドラインに接近。同線を明確に抜けることができれば、テクニカル的にZAR買いの余地が拡大するだけに注目しておきたい。もっとも、足もとの動きはあくまでドル安の影響に過ぎず、ZAR独自の買い材料が乏しいことも軽視すべきではないだろう。
なお、来週は23日に10月CPIが発表されるほか、24日には南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)が金融政策を公表する。市場では現行の6.25%から7.00%へと75bpの利上げが実施される予想となっている。米国との金利差拡大は対ドルでポジティブに働く可能性が高い一方、すでにマイナス成長となっている同国景気をさらに冷やすことになりかねない点には注意が必要だ。
11月14日週の回顧
豪ドルは底堅い動き。米利上げペースが鈍化するとの思惑が市場で根強く残るなか、対ドルを中心にやや買いが入った。対円でも底堅く推移したが、先月中旬から形成されたレンジ内にとどまっており、積極的に買いを進める展開とはならなかった。
ZARは対ドル・対円でともにもみ合い。手掛かり材料難の週だったほか、来週に中銀金融政策決定会合を控えていることもあり、週を通じて手控えムードが広がった。(了)