週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBA、声明文の内容に注目

◆豪ドル、対ドル・対円で荒い値動きを引き続き警戒
◆RBA、声明文で利上げペースに言及するかに注目
◆ZAR、外部要因に振られる展開が続くか

予想レンジ
豪ドル円 92.00-96.50円
南ア・ランド円 7.85-8.25円

10月3日週の展望
 豪ドルは荒い値動きに警戒。9月後半は政府・日銀による為替介入、英中銀(BOE)による国債買入れ措置発表と、政府・中銀絡みの動きで為替相場が大きく上下する不安定な展開となった。相場は依然として落ち着きを取り戻したとは言えず、流動性にも懸念が残る状態。来週も突発的な発表などで値が振れるリスクに警戒する必要があるだろう。

 10月4日には豪準備銀行(RBA)が金融政策を公表予定となっており、来週最大の注目イベントとなる。市場では現行の2.35%から2.85%までの利上げが見込まれているが、問題は同時に公表される声明文の内容。過去の議事要旨やRBA総裁発言などでは金利が正常水準に近づいていること、金利がより正常な水準に近づくにつれて利上げペースを緩める可能性があることが繰り返し示されている。今回の声明文でRBAの金融引き締め思惑に一服感が広がれば、追加利上げ姿勢を示している他の主要国との方針の違いが意識され、豪ドルの売り材料となりそうだ。

 また、ドル円は日米金融政策の方向性の違いが継続的な円売り・ドル買い材料となっている一方で、22日に政府・日銀が円買い介入を実施した水準である145円台が近づいていることもあり、神経質な動きとならざるを得ないだろう。一般的に介入のインパクトは初回が最大と言われているものの、やはり追加介入が実施されれば、豪ドルも対円で大きな影響を受けることになるため注意が必要だ。

 来週は豪州から10月4日に8月住宅建設許可件数やRBAの金融政策、10月6日に8月貿易収支が発表予定。NZでは10月5日にNZ準備銀行(RBNZ)の金融政策公表が控えている。こちらもNZドルの動向に大きな影響を与えるだけに注意したい。

 南アフリカ・ランド(ZAR)も外部要因に振らされる不安定な動きとなりそうだ。来週は南アフリカから特段のイベント・経済指標の発表などは予定されておらず、今週と同じく欧米各国の株価や金利動向、ドル相場などに左右される可能性が高い。もっとも、南アフリカでは過去最悪規模の電力不足に陥っており、国内経済のリスクが高まっている点も頭に入れておきたい。

9月26日週の回顧
 豪ドルは週半ば以降に下げ渋り。米金利の上昇と世界的な景気減速懸念から株安が進むなか、週明けから対円・対ドルでともに売りが先行した。ただ、28日にBOEが英国債の一時的な買い入れ実施を発表すると、英国債主導で各国の金利が大幅に低下。欧米株高が進むなか、リスク回避の動きが巻き戻されたことで、リスクに敏感な豪ドルにも買い戻しが入った。なお、28日に発表された8月小売売上高は予想より強い結果となったが、相場への影響は限られた。

 ZARも週明けから売りが先行。リスク回避の売りに押されて対ドル・対円で下値を探る動きとなったが、週半ば以降はBOEの国債買入れ措置を受けて株高と米金利低下が進んだことから、円売り・ドル売りの流れに沿ってZARの買い戻しが入った。(了)
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