週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、RBA理事会控えCPIに注目
◆豪ドル、来月2日のRBA理事会を前に4-6月期CPIに要注目
◆RBAは利上げ継続を示唆、日豪金融政策の方向性の違いで豪ドル円は堅調か
◆ZARは上値が重いか、金利上昇よりも景気停滞懸念が根強い
予想レンジ
豪ドル円 93.50-98.00円
南ア・ランド円 7.70-8.20円
7月25日週の展望
豪ドルは引き続き方向感が出にくいだろうが、対円では堅調に推移するか。今週公表された7月の豪準備銀行(RBA)理事会・議事要旨では、現行の金利水準について、労働市場やインフレの状況を踏まえると「極めて低い」と判断していることが明らかにされた。また議事要旨の発表後、ブロックRBA副総裁は講演で「中立金利は現在よりもかなり高い水準になる」「金利は中立水準まで引き上げる必要がある」と述べており、今後もRBAは利上げペースを緩めることがないだろう。
来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれことで、利上げ幅や声明、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見などを受けて、豪ドルは対ドルでは乱高下が予想される。しかしながら、RBAと日銀の金融政策の方向性の違いが明確なこともあり、対円では底堅い動きを見せるか。
RBA利上げ継続が想定される中、27日に発表される4-6月期・豪消費者物価指数(CPI)に要注目。結果次第では2日RBA理事会での利上げ予想に変化が生じ、豪ドルが大きな動きを見せる可能性もありそうだ。なお、28日に6月小売売上高、4-6月期輸入物価指数なども発表される。
豪ドルの上値を抑える要因は、豪州国内の景気が他国同様に停滞傾向となった場合だ。ブロックRBA副総裁は「家計のバランスシート全体は非常に良い状態」としているが、チャーマーズ豪財務相は利上げによる副作用が国民への負担になることを懸念。アルバニージー豪首相も「RBAは行き過ぎないように注意」と金利上昇の弊害を警戒している。小売売上高が低調になった場合や、輸入物価指数の上昇が大きい場合は、豪経済にも黄信号が点灯するかもしれない。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開か。今週発表された6月南アCPIは7.4%まで上昇した。5月の6.5%を大きく上回り、8.0%を記録した2009年5月の以来の高水準となった。南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)はこの結果を受けて0.75%の利上げを決定し、政策金利を4.75%から5.50%に引き上げた。予想以上の利上げ幅でZAR買いが先行するも、一巡後は伸び悩んだ。インフレ高進、エネルギー価格の高騰、電力の負荷制限の3つを合わせ「トリプル・ブロー」と呼ばれる問題点が南ア企業に大きな痛手となっている。利上げによるランド買いよりも、景気停滞懸念でZARの上値は限定的か。来週の経済指標は28日に6月生産者物価指数(PPI)、30日に同月貿易収支が発表される。ただ、CPIとSARBという大きなイベントを終えたばかりでもあり、来週はFOMCがZAR市場に影響を与えそうだ。
7月18日週の回顧
豪ドルは翌週に控えたFOMCを前に、米国の金融政策への様々な思惑から神経質な値動きを繰り返した。RBA議事要旨やブロックRBA副総裁の講演がタカ派だったことは豪ドルの支えとなり、対ドルでは月初来高値を更新、対円でも底堅い動きだった。ZARは週を通して対ドル、対円ともにレンジ取引に終始した。6月CPIが市場予想を上回り、SARBが0.75%利上げしたことがZARの支えとなったが、世界各国の景気停滞不安が重しとなった。(了)
◆RBAは利上げ継続を示唆、日豪金融政策の方向性の違いで豪ドル円は堅調か
◆ZARは上値が重いか、金利上昇よりも景気停滞懸念が根強い
予想レンジ
豪ドル円 93.50-98.00円
南ア・ランド円 7.70-8.20円
7月25日週の展望
豪ドルは引き続き方向感が出にくいだろうが、対円では堅調に推移するか。今週公表された7月の豪準備銀行(RBA)理事会・議事要旨では、現行の金利水準について、労働市場やインフレの状況を踏まえると「極めて低い」と判断していることが明らかにされた。また議事要旨の発表後、ブロックRBA副総裁は講演で「中立金利は現在よりもかなり高い水準になる」「金利は中立水準まで引き上げる必要がある」と述べており、今後もRBAは利上げペースを緩めることがないだろう。
来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれことで、利上げ幅や声明、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見などを受けて、豪ドルは対ドルでは乱高下が予想される。しかしながら、RBAと日銀の金融政策の方向性の違いが明確なこともあり、対円では底堅い動きを見せるか。
RBA利上げ継続が想定される中、27日に発表される4-6月期・豪消費者物価指数(CPI)に要注目。結果次第では2日RBA理事会での利上げ予想に変化が生じ、豪ドルが大きな動きを見せる可能性もありそうだ。なお、28日に6月小売売上高、4-6月期輸入物価指数なども発表される。
豪ドルの上値を抑える要因は、豪州国内の景気が他国同様に停滞傾向となった場合だ。ブロックRBA副総裁は「家計のバランスシート全体は非常に良い状態」としているが、チャーマーズ豪財務相は利上げによる副作用が国民への負担になることを懸念。アルバニージー豪首相も「RBAは行き過ぎないように注意」と金利上昇の弊害を警戒している。小売売上高が低調になった場合や、輸入物価指数の上昇が大きい場合は、豪経済にも黄信号が点灯するかもしれない。
南アフリカ・ランド(ZAR)は伸び悩む展開か。今週発表された6月南アCPIは7.4%まで上昇した。5月の6.5%を大きく上回り、8.0%を記録した2009年5月の以来の高水準となった。南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)はこの結果を受けて0.75%の利上げを決定し、政策金利を4.75%から5.50%に引き上げた。予想以上の利上げ幅でZAR買いが先行するも、一巡後は伸び悩んだ。インフレ高進、エネルギー価格の高騰、電力の負荷制限の3つを合わせ「トリプル・ブロー」と呼ばれる問題点が南ア企業に大きな痛手となっている。利上げによるランド買いよりも、景気停滞懸念でZARの上値は限定的か。来週の経済指標は28日に6月生産者物価指数(PPI)、30日に同月貿易収支が発表される。ただ、CPIとSARBという大きなイベントを終えたばかりでもあり、来週はFOMCがZAR市場に影響を与えそうだ。
7月18日週の回顧
豪ドルは翌週に控えたFOMCを前に、米国の金融政策への様々な思惑から神経質な値動きを繰り返した。RBA議事要旨やブロックRBA副総裁の講演がタカ派だったことは豪ドルの支えとなり、対ドルでは月初来高値を更新、対円でも底堅い動きだった。ZARは週を通して対ドル、対円ともにレンジ取引に終始した。6月CPIが市場予想を上回り、SARBが0.75%利上げしたことがZARの支えとなったが、世界各国の景気停滞不安が重しとなった。(了)