週間為替展望(ドル/ユーロ)-FOMCでの利上げ幅に注目
◆ドル円、FOMCでの利上げ幅(0.75%か1.00%か)に要注目
◆米国の4-6月期GDPや6月PCE総合価格指数も重要に
◆ユーロドル、ユーロ圏の4-6月期GDPや7月の消費者物価指数に注目
予想レンジ
ドル円 135.00-140.00円
ユーロドル 0.9900-1.0400ドル
7月25日週の展望
ドル円は、26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第4次利上げ幅が0.75%なのか、それとも1.00%なのか、そして第5次利上げに向けた声明文を見極める展開となる。
利上げ幅が0.75%だった場合は、ある程度織り込まれていることもあり、ドル円の上値は限定的と予想される。一方1.00%だった場合は、140円に向けた上昇トレンドが再開する可能性が高まることになりそうだ。
タカ派のウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事は「0.75ポイントの利上げを支持。市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性。今後発表される経済指標で一段のインフレリスクが示された場合は、より積極的な行動(+1.00%?)も支持し得る」と述べていた。
6月FOMCでは、インフレ状況の悪化やFRBの対応能力への信頼喪失を懸念して0.75%の利上げが決定された。その利上げ幅を的確に予告したウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、2度にわたり「7月FOMCの利上げは1.00%ではなく、0.75%」と報じており、0.75%の利上げという見方が強まっている。
米国4-6月期国内総生産(GDP)速報値は市場予想が前期比年率+0.5%。1-3月期GDPが前期比年率-1.6%であり、もし2四半期連続のマイナス成長となった場合は、米国経済はテクニカルなリセッション(景気後退)に陥っていたことになり要注目か。なお、リセッションの前兆とされる米国2年債と10年債の利回り格差は、長短金利逆転(逆イールド)が発生中だ。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している米国PCE価格指数は、6月の総合が前年比+6.6%と予想されている。3、4,5月はそれぞれ同+6.6%、+6.3%、+6.3%と低下傾向だったが、そこから反転が見込まれる。
ユーロドルは、ユーロ圏のインフレ高進と景気減速によるスタグフレーションへの警戒感が高まる中、4-6月域内総生産(GDP)速報値や7月の消費者物価指数速報値に注目する展開となる。景気減速と物価上昇が確認された場合は、ユーロ売り圧力が強まることになる。また、ロシアからの天然ガス供給への警戒感やイタリア政局混迷なども、ユーロの上値を抑える要因となる。
7月18日週の回顧
ドル円は、黒田日銀総裁が、利上げを強く否定し、少しの利上げでは円安は止まらない、と述べ、円安基調を黙認したことで138.88円まで上昇。その後、米長期金利の低下を受けて137円前半まで下落した。日銀金融政策決定会合では、予想通り大規模金融緩和策の継続が決定され、展望リポートでは、2022年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しが+2.3%へ引き上げられた。ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会での0.50%の大幅利上げを受けて1.0278ドルまで上昇後、ラガルドECB総裁が「最終的な金利水準は変えない」と述べたことで伸び悩んだ。ユーロ円は、139.38円から142.32円まで上昇した。(了)
◆米国の4-6月期GDPや6月PCE総合価格指数も重要に
◆ユーロドル、ユーロ圏の4-6月期GDPや7月の消費者物価指数に注目
予想レンジ
ドル円 135.00-140.00円
ユーロドル 0.9900-1.0400ドル
7月25日週の展望
ドル円は、26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第4次利上げ幅が0.75%なのか、それとも1.00%なのか、そして第5次利上げに向けた声明文を見極める展開となる。
利上げ幅が0.75%だった場合は、ある程度織り込まれていることもあり、ドル円の上値は限定的と予想される。一方1.00%だった場合は、140円に向けた上昇トレンドが再開する可能性が高まることになりそうだ。
タカ派のウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事は「0.75ポイントの利上げを支持。市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性。今後発表される経済指標で一段のインフレリスクが示された場合は、より積極的な行動(+1.00%?)も支持し得る」と述べていた。
6月FOMCでは、インフレ状況の悪化やFRBの対応能力への信頼喪失を懸念して0.75%の利上げが決定された。その利上げ幅を的確に予告したウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、2度にわたり「7月FOMCの利上げは1.00%ではなく、0.75%」と報じており、0.75%の利上げという見方が強まっている。
米国4-6月期国内総生産(GDP)速報値は市場予想が前期比年率+0.5%。1-3月期GDPが前期比年率-1.6%であり、もし2四半期連続のマイナス成長となった場合は、米国経済はテクニカルなリセッション(景気後退)に陥っていたことになり要注目か。なお、リセッションの前兆とされる米国2年債と10年債の利回り格差は、長短金利逆転(逆イールド)が発生中だ。
米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している米国PCE価格指数は、6月の総合が前年比+6.6%と予想されている。3、4,5月はそれぞれ同+6.6%、+6.3%、+6.3%と低下傾向だったが、そこから反転が見込まれる。
ユーロドルは、ユーロ圏のインフレ高進と景気減速によるスタグフレーションへの警戒感が高まる中、4-6月域内総生産(GDP)速報値や7月の消費者物価指数速報値に注目する展開となる。景気減速と物価上昇が確認された場合は、ユーロ売り圧力が強まることになる。また、ロシアからの天然ガス供給への警戒感やイタリア政局混迷なども、ユーロの上値を抑える要因となる。
7月18日週の回顧
ドル円は、黒田日銀総裁が、利上げを強く否定し、少しの利上げでは円安は止まらない、と述べ、円安基調を黙認したことで138.88円まで上昇。その後、米長期金利の低下を受けて137円前半まで下落した。日銀金融政策決定会合では、予想通り大規模金融緩和策の継続が決定され、展望リポートでは、2022年度の消費者物価指数(CPI、除く生鮮食品)見通しが+2.3%へ引き上げられた。ユーロドルは、欧州中央銀行(ECB)理事会での0.50%の大幅利上げを受けて1.0278ドルまで上昇後、ラガルドECB総裁が「最終的な金利水準は変えない」と述べたことで伸び悩んだ。ユーロ円は、139.38円から142.32円まで上昇した。(了)