東京為替見通し=ドル円、来週のFOMCでの0.75%利上げ観測から上値が重い展開か

 18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが3.01%台まで上昇したことで138.44円付近まで上昇後、137.97円付近まで押し戻された。ユーロドルは7月全米ホームビルダー協会(NAHB)住宅市場指数が予想を下回る55だったことで、来週のFOMCでの1%利上げ観測が後退し、1.0201ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.75%の可能性が高まっていることで上値が重い展開が予想される。

 直近の26-27日のFOMCでの利上げ確率は、0.75%(2.25-50%)は70%程度、1.00%(2.50-75%)利上げに関しては、6月消費者物価指数(前年比+9.1%)発表直後の80%付近から、30%程度まで低下している。
 また、ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者は、消費者物価指数発表直後に「7月FOMCの利上げは1.00%ではなく、0.75%」と報じていたが、先週末も同様の記事を配信していた。
 タカ派のウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事が先週、「0.75ポイントの利上げを支持。市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性。今後発表される経済指標で一段のインフレリスクが示された場合は、より積極的な行動(+1.00%?)も支持し得る」と述べており、ティミラオス記者の取材源は、ウォラーFRB理事なのかもしれない。

 また、先週末のバイデン米大統領とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子との会談では、バイデン米大統領がサウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害に言及したことで、サウジアラビアによる原油増産の確約が得られなかったことで、8月3日のOPECプラスでの結果待ちとなっている。さらに、ロシアの国営天然ガス企業ガスプロムが、欧州の買い手数社に対し「不可抗力条項」を宣言し、ガス供給の制限を継続する意図があるとのシグナルを送った。ロシアからの天然ガス供給のパイプライン「ノルド・ストリーム1」は、21日まで定期点検のため供給が止まっているが、市場では22日以降もガス供給が遮断されたままになるのではないかとの警戒感が高まっている。
 NY原油先物8月限は、原油供給への警戒感が高まったことで、1バレル=102.60ドルで引けている。

 10時30分に公表される7月のRBA理事会議事要旨では、8月のRBA理事会での利上げ幅を見極めることになる。市場では、6月の失業率が3.5%まで低下し、新規雇用者数も市場予想を上回っていたことで、0.75%の利上げ観測が台頭している。



(山下)
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