東京為替見通し=東京休場で閑散取引、FOMCでの利上げ幅への思惑で底堅い展開か

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米ミシガン大学が発表した期待インフレ率が前月から鈍化したことで、FRBの急激な利上げ観測の後退を誘い、138.39円まで下落した。ユーロドルは前日に辞任を表明したドラギ伊首相をマッタレッラ大統領が慰留したことで、リスク回避の姿勢が後退し、1.0098ドルまで上昇した。ユーロ円は欧米株価指数の上昇を好感して139.89円まで上昇した。

 本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が海の日の祝日で休場のため閑散取引の中、26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ(0.75%か1.00%?)への思惑から底堅い展開が予想される。

 FOMCでの利上げ確率は、0.75%はほぼ100%織り込み済みだが、1.00%利上げに関しては、6月消費者物価指数(前年比+9.1%)発表直後の80%付近から、20%程度まで低下している。米連邦準備理事会(FRB)高官は、現在26-27日のFOMC終了まではブラックアウト期間のため、金融政策に関する発言はできないことで、2020年3月のような緊急FOMC開催の可能性に留意しながら、利上げ幅を模索していくことになる。

 1.00%利上げの背景は以下の通り。
・米国6月の消費者物価指数が前年比+9.1%、前月比+1.3%の伸びを記録
・デイリー米サンフランシスコ連銀総裁
「今月会合での最も可能性のある利上げ幅は0.75%。1.00%の利上げは可能性の範囲内」
・メスター米クリーブランド連銀総裁
「CPIデータは6月会合よりも小さい利上げ幅にすることを示唆していない」

 0.75%の利上げの背景は以下の通り。
・7月ミシガン大消費者マインド指数での長期インフレ期待が低下
(5-10年先:+2.8%、6月+3.1%、1年先:+5.2%、6月+5.3%)
・ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事
「0.75ポイントの利上げを支持。市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性。今後発表される経済指標で一段のインフレリスクが示された場合は、より積極的な行動(+1.00%?)も支持し得る」
・ボスティック米アトランタ連銀総裁
「急激過ぎる行動は、他の事象の多くが順調に機能するのを妨げることになる」
・ブラード米セントルイス連銀総裁
「今月1%の極めて大幅な利上げを決定する必要性を強く感じていない」
・パウエルFRB議長
「7月は0.75%か0.50%の公算が大きい」
・ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者「7月FOMCの利上げは1.00%ではなく、0.75%」



(山下)
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