NY為替見通し=ウォラー理事発言で小売売上高の注目度が増す

 本日のNY時間は米小売売上高の結果を受けて大きく動く可能性が高い。昨日、グローバル・インディペンデンス・センター主催の「第14回ロッキーマウンテン経済サミット」で基調演説を行ったウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事だが、「市場は1.00%利上げに関してやや先走った可能性」と発言したことで米金利の上昇が一服した。

 しかしながら、「7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の前に小売売上高と住宅に関する重要なデータリリースがあり、そのデータが予想よりも大幅に強い場合、7月のFOMCでより大きな引き上げに傾くだろう(lean towards a larger hike at the July meeting)」と述べた。その小売売上高が本日発表されることで、これまで以上に同指標の注目度が高まっている。6月小売売上高の市場予想は前月比で0.8%上昇、自動車を除く前月比は0.6%の上昇となっている。この予想より大きく上回れば、7月FOMCで1.00%の利上げに傾き、ドル買いが進行するだろう。一方、予想を下回るか、小幅に予想を上回る程度ならば、0.75%の利上げ幅に収まることで、ドルは瞬間的には売られるだろう。

 なお、同時刻に7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数、6月米輸入物価指数などの重要指標も発表される。また、その後に6月米鉱工業生産指数、7月米消費者態度指数ほか、複数の経済指標も発表されるが、ウォラーFRB理事が小売売上高に焦点を当ててしまったため、他指標での市場の反応は限られるか。

 なお、米要人の予定はボスティック米アトランタ連銀総裁、ブラード米セントルイス連銀総裁、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁などの討議やインタビューが行われる予定。この中では今年のFOMCの投票メンバーであるブラード・セントルイス連銀総裁の発言が注目されそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、昨日高値139.39円が最初の抑え、上抜けたら1998年9月1日高値139.90円や節目の140.00円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値は、昨日上抜け時の起点となった138.10円近辺、その下は13日高値137.87円。

(松井)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。