ロンドン為替見通し=イタリア政局混迷とスタグフレーション懸念
本日のロンドン為替市場のユーロドルは、欧州の天然ガス価格の上昇と景気減速懸念、スタグフレーションへの警戒感やイタリアの政局混迷などから軟調推移が予想される。
来週21日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、0.25%の利上げが示唆されている。しかしながら、現在10日間の定期点検で21日まで天然ガスの供給が停止している「ノルド・ストリーム1」に関して、22日からロシアによる天然ガス供給が再開されない可能性が警戒されている。もしロシアが、北大西洋条約機構(NATO)諸国によるウクライナへの武器供与やロシアへの経済制裁への対抗策として、天然ガスの供給を停止した場合、ドイツ経済はエネルギー危機に陥る可能性が高まることになる。
また、イタリアでは、ドラギ伊首相が連立与党の「五つ星運動」の造反を受けて、マッタレッラ伊大統領に辞表を提出したことで、政局混迷への警戒感が高まっている。イタリアに関しては、ECBの利上げ観測を受けて、イタリア国債利回りが上昇してことで、ECBは、債券スプレッドの格差拡大抑制策を打ち出しており、政治・経済の両面からユーロ売り要因となりつつある。
ドラギ伊首相は来週、イタリア議会で演説を行い、再び内閣信任投票が行われる可能性がある。この投票で連立政党の政権協力が確認できれば、混乱が収束に向かうが、造反が続いたままならば、ドラギ伊首相は辞任し、イタリア政局の混迷に拍車がかかることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドルの上値目処(めど)は、7月13日の高値の1.0122ドル、ユーロ円は一目・基準線の140.58円。
想定レンジ下限
・ユーロドルの下値目処(めど)は、7月14日の安値の0.9952ドル、ユーロ円は一目・雲の下限の138.46円。
(山下)
来週21日の欧州中央銀行(ECB)理事会では、0.25%の利上げが示唆されている。しかしながら、現在10日間の定期点検で21日まで天然ガスの供給が停止している「ノルド・ストリーム1」に関して、22日からロシアによる天然ガス供給が再開されない可能性が警戒されている。もしロシアが、北大西洋条約機構(NATO)諸国によるウクライナへの武器供与やロシアへの経済制裁への対抗策として、天然ガスの供給を停止した場合、ドイツ経済はエネルギー危機に陥る可能性が高まることになる。
また、イタリアでは、ドラギ伊首相が連立与党の「五つ星運動」の造反を受けて、マッタレッラ伊大統領に辞表を提出したことで、政局混迷への警戒感が高まっている。イタリアに関しては、ECBの利上げ観測を受けて、イタリア国債利回りが上昇してことで、ECBは、債券スプレッドの格差拡大抑制策を打ち出しており、政治・経済の両面からユーロ売り要因となりつつある。
ドラギ伊首相は来週、イタリア議会で演説を行い、再び内閣信任投票が行われる可能性がある。この投票で連立政党の政権協力が確認できれば、混乱が収束に向かうが、造反が続いたままならば、ドラギ伊首相は辞任し、イタリア政局の混迷に拍車がかかることになる。
想定レンジ上限
・ユーロドルの上値目処(めど)は、7月13日の高値の1.0122ドル、ユーロ円は一目・基準線の140.58円。
想定レンジ下限
・ユーロドルの下値目処(めど)は、7月14日の安値の0.9952ドル、ユーロ円は一目・雲の下限の138.46円。
(山下)