週間為替展望(豪ドル/ZAR)- RBA声明文に注目
◆RBA理事会は0.50%の利上げ予想が優勢、注目は声明文の内容
◆利上げの負の側面にも引き続き要警戒、豪財務相はGDP予想引き下げ
◆ZARはもみ合いか、米金利低下が支えだが景気後退懸念で上値も重い
予想レンジ
豪ドル円 93.50-98.00円
南ア・ランド円 7.90-8.30円
8月1日週の展望
豪ドルは対ドルでは方向感は出にくいが、対円では堅調か。今週発表された4-6月期消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回ったが、前年比で+6.1%となり、21年ぶりの高い伸びとなった。また、豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値は市場予想を上回る4.9%の上昇だった。市場では来週8月2日のRBA理事会では、50ベーシスポイント(bp)の利上げが優勢となり、75bpの利上げを予想する声が減少している。今回のCPIが発表されたすぐ後の14時半からブラックアウト期間に入っており、RBA関係者のCPIに対するコメントなどは伝わっていない。利上げ幅のサプライズが無ければ、同時に発表される声明が注目となり、市場が反応するかどうかを見極めることになりそうだ。特にタカ派な内容となった場合は、RBAと日銀の金融政策の方向性の違いが鮮明になり、豪ドル円は強含みそうだ。なお、RBAからは四半期金融政策報告が8月5日に公表される予定となっている。経済指標では8月2日に6月の住宅建設許可件数、8月3日に4-6月期小売売上高、4日に6月貿易収支などが発表される。
豪金利上昇により豪ドルは支えとなる反面、金利上昇の負の側面にも要注目。チャーマーズ豪財務相は28日の会見で、今年のGDPの予想を3.5%から3.0%、23年を2.5%から2.0%へと下方修正した。世界的な景気減速と相まって、「より高い金利がオーストラリアの経済成長に影響を与えるだろう」と述べている。6月の小売売上高が市場予想に届かなかったように、今後はインフレ高進が、どの程度他指標に影響与えるかを注目したい。なお、チャーマーズ豪財務相は10-12月期のCPIは、RBAの予想を上回る7.75%まで上昇するとの予測を発表している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は対ドルではもみ合いか。米金利の低下により、対ドルでのZAR売りは一服している。このまま米金利が低下し、原油価格の高騰にも歯止めがかかればZARの支えにはなるだろう。また、南アフリカ準備銀行(SARB)は今後もインフレが高進すると予想していることで、利上げを緩めることがなく、日銀との金融政策の方向性の違いがZAR円の支えとはなるだろう。もっとも、国際通貨基金(IMF)は南アの成長見通しをわずかに上方修正しているものの、世界経済の見通しを下方修正しており、新興国通貨のZARの重しになりそうだ。
7月25日週の回顧
豪ドルは堅調に推移した。4-6月期のCPIはまちまちな結果となったが、ヘッドラインが市場予想より下振れしたことで豪ドルの上値が抑えられる場面もあった。しかしながら、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見が、ハト派寄りの発言だったことで株高になり、リスクオン・オフに敏感な豪ドルの支えになった。対ドルでは6月中旬以来となる0.70ドル台を一時回復した。ZARはパウエルFRB議長発言後に米金利が低下したことで、対ドルでは堅調な動きを見せた。対円では、株価の上昇が支えとなったものの、週後半にかけてはドル円の下げ幅が大きかったことで方向感のない動きになった。(了)
◆利上げの負の側面にも引き続き要警戒、豪財務相はGDP予想引き下げ
◆ZARはもみ合いか、米金利低下が支えだが景気後退懸念で上値も重い
予想レンジ
豪ドル円 93.50-98.00円
南ア・ランド円 7.90-8.30円
8月1日週の展望
豪ドルは対ドルでは方向感は出にくいが、対円では堅調か。今週発表された4-6月期消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回ったが、前年比で+6.1%となり、21年ぶりの高い伸びとなった。また、豪準備銀行(RBA)が重要視するトリム平均値は市場予想を上回る4.9%の上昇だった。市場では来週8月2日のRBA理事会では、50ベーシスポイント(bp)の利上げが優勢となり、75bpの利上げを予想する声が減少している。今回のCPIが発表されたすぐ後の14時半からブラックアウト期間に入っており、RBA関係者のCPIに対するコメントなどは伝わっていない。利上げ幅のサプライズが無ければ、同時に発表される声明が注目となり、市場が反応するかどうかを見極めることになりそうだ。特にタカ派な内容となった場合は、RBAと日銀の金融政策の方向性の違いが鮮明になり、豪ドル円は強含みそうだ。なお、RBAからは四半期金融政策報告が8月5日に公表される予定となっている。経済指標では8月2日に6月の住宅建設許可件数、8月3日に4-6月期小売売上高、4日に6月貿易収支などが発表される。
豪金利上昇により豪ドルは支えとなる反面、金利上昇の負の側面にも要注目。チャーマーズ豪財務相は28日の会見で、今年のGDPの予想を3.5%から3.0%、23年を2.5%から2.0%へと下方修正した。世界的な景気減速と相まって、「より高い金利がオーストラリアの経済成長に影響を与えるだろう」と述べている。6月の小売売上高が市場予想に届かなかったように、今後はインフレ高進が、どの程度他指標に影響与えるかを注目したい。なお、チャーマーズ豪財務相は10-12月期のCPIは、RBAの予想を上回る7.75%まで上昇するとの予測を発表している。
南アフリカ・ランド(ZAR)は対ドルではもみ合いか。米金利の低下により、対ドルでのZAR売りは一服している。このまま米金利が低下し、原油価格の高騰にも歯止めがかかればZARの支えにはなるだろう。また、南アフリカ準備銀行(SARB)は今後もインフレが高進すると予想していることで、利上げを緩めることがなく、日銀との金融政策の方向性の違いがZAR円の支えとはなるだろう。もっとも、国際通貨基金(IMF)は南アの成長見通しをわずかに上方修正しているものの、世界経済の見通しを下方修正しており、新興国通貨のZARの重しになりそうだ。
7月25日週の回顧
豪ドルは堅調に推移した。4-6月期のCPIはまちまちな結果となったが、ヘッドラインが市場予想より下振れしたことで豪ドルの上値が抑えられる場面もあった。しかしながら、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見が、ハト派寄りの発言だったことで株高になり、リスクオン・オフに敏感な豪ドルの支えになった。対ドルでは6月中旬以来となる0.70ドル台を一時回復した。ZARはパウエルFRB議長発言後に米金利が低下したことで、対ドルでは堅調な動きを見せた。対円では、株価の上昇が支えとなったものの、週後半にかけてはドル円の下げ幅が大きかったことで方向感のない動きになった。(了)