週間為替展望(ドル/ユーロ)-米7月雇用統計に注目
◆ドル円、米7月雇用統計やISM製造業・非製造業景気指数に注目
◆日本企業の「サハリン2」への参画の可否や「OPECプラス」での増産有無にも注意
◆ユーロドル、ユーロ圏6月小売売上高や独6月の貿易収支に注目
予想レンジ
ドル円 130.00-135.00円
ユーロドル 0.9900-1.0400ドル
8月1日週の展望
ドル円は、26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第4次利上げ幅が0.75%となり、パウエルFRB議長が9月の第5次利上げ幅に関して「利上げのペースはデータ次第」と述べたことで、7月の米雇用統計やISM製造業・非製造業景気・雇用・物価指数などを見極めていく展開となる。雇用情勢が改善基調を続け、物価も上昇基調を続けていた場合は、9月20-21日のFOMCでの大幅な追加利上げ観測が高まることで、ドル円の買い要因となる。
また、インフレ率の著しい上昇が確認された場合は、9月まで待つことなく、8月に緊急FOMCが開催されて緊急利上げの可能性が高まることにも警戒したい。一方、雇用情勢が低迷し、物価も原油価格の伸び悩みなどから「インフレピーク説」を裏付ける内容だった場合は、米国経済が2四半期連続のマイナス成長の「テクニカル・リセッション」となっていることもあり、上値が重い展開が予想される。しかしながら、日銀金融政策決定会合では、現状の大規模金融緩和の継続が確認されており、ドル円の下値は限定的となりそうだ。リセッションの前兆とされる米国2年債と10年債の利回りの長短金利逆転(逆イールド)が、数十年ぶりの30bp以上に拡大しており、リセッションへの警戒感を高めている。
一方、ロシア・サハリン沖の液化天然ガス開発事業「サハリン2」への日本企業の申請が却下された場合、日本の天然ガスの調達に支障を来す可能性が高まることになり、エネルギー危機や貿易赤字拡大懸念から、円売り材料となる。また、8月3日に開催される「OPECプラス」では、バイデン米大統領のサウジアラビア訪問を受けて、増産が決定されるとの期待感が高まっており、注意したいところだ。
ユーロドルは、ユーロ圏のインフレ高進と景気減速によるスタグフレーションへの警戒感が高まる中、ユーロ圏6月小売売上高、ドイツ6月貿易収支や鉱工業生産に注目する展開となる。ドイツの5月の貿易収支は、輸入額が過去最大となり、過去2番目の貿易赤字を記録。ユーロ売り圧力の背景となっている。6月も天然ガス価格の上昇などを背景に貿易赤字が予想されており、ユーロ売り圧力が強まることになりそうだ。また、ロシアが欧州連合(EU)による経済制裁第7弾への報復措置として天然ガスの供給を削減していることや、イタリアの政局なども、ユーロの上値を抑える要因となる。
7月25日週の回顧
ドル円は、FOMCでFF金利が0.75%引き上げられ中立金利水準2.25-50%に到達。パウエルFRB議長がインフレ抑制を強調したことで137.46円まで上昇した。しかし、同時に「利上げのペースはデータ次第」と、利上げに慎重な姿勢を示したほか、米経済が2四半期連続でマイナス成長を記録したことから132.78円まで反落した。ユーロドルは、ロシアからの天然ガス供給が減少し、ユーロ圏のスタグフレーションへの警戒感が高まったことで、1.0258ドルから1.0097ドルまで下落後、1.02ドル台を回復した。ユーロ円は、140.07円から135.65円まで下落した。(了)
◆日本企業の「サハリン2」への参画の可否や「OPECプラス」での増産有無にも注意
◆ユーロドル、ユーロ圏6月小売売上高や独6月の貿易収支に注目
予想レンジ
ドル円 130.00-135.00円
ユーロドル 0.9900-1.0400ドル
8月1日週の展望
ドル円は、26-27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での第4次利上げ幅が0.75%となり、パウエルFRB議長が9月の第5次利上げ幅に関して「利上げのペースはデータ次第」と述べたことで、7月の米雇用統計やISM製造業・非製造業景気・雇用・物価指数などを見極めていく展開となる。雇用情勢が改善基調を続け、物価も上昇基調を続けていた場合は、9月20-21日のFOMCでの大幅な追加利上げ観測が高まることで、ドル円の買い要因となる。
また、インフレ率の著しい上昇が確認された場合は、9月まで待つことなく、8月に緊急FOMCが開催されて緊急利上げの可能性が高まることにも警戒したい。一方、雇用情勢が低迷し、物価も原油価格の伸び悩みなどから「インフレピーク説」を裏付ける内容だった場合は、米国経済が2四半期連続のマイナス成長の「テクニカル・リセッション」となっていることもあり、上値が重い展開が予想される。しかしながら、日銀金融政策決定会合では、現状の大規模金融緩和の継続が確認されており、ドル円の下値は限定的となりそうだ。リセッションの前兆とされる米国2年債と10年債の利回りの長短金利逆転(逆イールド)が、数十年ぶりの30bp以上に拡大しており、リセッションへの警戒感を高めている。
一方、ロシア・サハリン沖の液化天然ガス開発事業「サハリン2」への日本企業の申請が却下された場合、日本の天然ガスの調達に支障を来す可能性が高まることになり、エネルギー危機や貿易赤字拡大懸念から、円売り材料となる。また、8月3日に開催される「OPECプラス」では、バイデン米大統領のサウジアラビア訪問を受けて、増産が決定されるとの期待感が高まっており、注意したいところだ。
ユーロドルは、ユーロ圏のインフレ高進と景気減速によるスタグフレーションへの警戒感が高まる中、ユーロ圏6月小売売上高、ドイツ6月貿易収支や鉱工業生産に注目する展開となる。ドイツの5月の貿易収支は、輸入額が過去最大となり、過去2番目の貿易赤字を記録。ユーロ売り圧力の背景となっている。6月も天然ガス価格の上昇などを背景に貿易赤字が予想されており、ユーロ売り圧力が強まることになりそうだ。また、ロシアが欧州連合(EU)による経済制裁第7弾への報復措置として天然ガスの供給を削減していることや、イタリアの政局なども、ユーロの上値を抑える要因となる。
7月25日週の回顧
ドル円は、FOMCでFF金利が0.75%引き上げられ中立金利水準2.25-50%に到達。パウエルFRB議長がインフレ抑制を強調したことで137.46円まで上昇した。しかし、同時に「利上げのペースはデータ次第」と、利上げに慎重な姿勢を示したほか、米経済が2四半期連続でマイナス成長を記録したことから132.78円まで反落した。ユーロドルは、ロシアからの天然ガス供給が減少し、ユーロ圏のスタグフレーションへの警戒感が高まったことで、1.0258ドルから1.0097ドルまで下落後、1.02ドル台を回復した。ユーロ円は、140.07円から135.65円まで下落した。(了)