週間為替展望(豪ドル/ZAR)-RBA、12月会合への不透明感続く

◆豪ドル、感謝祭明けの推移に注目
◆RBNZ、利上げ加速方針が鮮明に
◆ZAR、対ドルでの下落トレンドは一段落か

予想レンジ
豪ドル円 91.00-96.00円
南ア・ランド円 7.95-8.35円

11月28日週の展望
 豪ドルは神経質な展開となりそうだ。豪準備銀行(RBA)のロウ総裁は22日の講演で「今後一定期間、さらに利上げを行うことを予想」と述べた一方で、「政策はあらかじめ設定された経路上にあるわけではない」「0.50%の利上げに戻ることも一時的に金利を据え置くこともあり得る」とし、12月会合に向けた明確なヒントは示さなかった。RBAは以前、「2024年まで利上げは必要ない」としていたことを覆して利上げを行い、市場から批判されている。今後も市場に明瞭な方針を示すことを避ける可能性が高い。
 もっとも、主要国の中でいち早く利上げペースを鈍化させたことは事実であり、豪ドルを積極的に買い進めづらい要因となっている。今週は米利上げペースが減速するとの思惑から対ドルでは底堅く推移したものの、対ドルでの買い基調が持続するかに関しては感謝祭明け後の推移を見極める必要があるだろう。
 
 なお、来週は28日に10月小売売上高、30日に10月住宅建設許可件数、12月1日に7-9月期四半期民間設備投資の発表が予定されている。

 隣国NZでは30日に10月住宅建設許可件数や11月ANZ企業信頼感が発表予定。NZ準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)は23日の金融政策決定会合で、市場の予想通り75bpの金利引き上げ(3.50%から4.25%へ)を決定した。また、RBNZは100bpの利上げも検討していたことを明らかにしたほか、2023年9月に5.50%としていた金利のピーク水準についても、「より早期でより高い水準となる可能性」を示唆。豪州との利上げペースの違いが鮮明となるなか、豪ドル/NZドルの推移にも注意しておきたい。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は底堅く推移しそうだ。テクニカル面で見ると対ドルでは4月からの下落トレンドがいったん終了した可能性が高まっている。ZAR買い余地がさらに拡大する中で、ドル安・ZAR高の動きがどこまで続くか探る必要がある。

 なお、24日に南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は75bpの利上げ(6.25%から7.00%へ)を決定。インフレの長期化について言及した一方、世界的な成長減速と国内の深刻な電力不足の影響から成長率予想を下方修正しており、南ア経済の先行き不透明感は一層強まっている。来週は29日に7-9月期四半期失業率、30日に10月貿易収支が発表される。

11月21日週の回顧
 豪ドルは対ドルでしっかり。さえない米指標などを手掛かりに為替市場全般でドル売りが進むなか、豪ドルも対ドルでは底堅く推移した。もっとも、ドル円の下落分に相殺される格好となったため、対円では方向感を欠いた動きだった。
ZARも対ドルは強含んだ一方、対円ではもみ合い。豪ドルと同じくドル相場の動向に左右される展開に終始した。(了)
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