週間為替展望(豪ドル/ZAR)-豪ドル、リスク回避で上値重い
◆豪ドル、RBAとFRBの利上げスピードの差異で上値が重い
◆豪ドル、ZARとも、株安によるリスク回避が上値を抑える
◆NZ、週末の総選挙を控え神経質な動きに
予想レンジ
豪ドル円 91.50-96.00円
南ア・ランド円 7.40-7.80円
10月9日週の展望
豪ドルは上値が重くなりそうだ。米金利が上昇傾向を辿り、米豪の利上げペースにも差がでてきていることが重しとなっている。また、金利上昇で株式市場が軟調な動きを示していることも、リスク回避の動きに敏感な豪ドルにとっては売り要因となるだろう。
今週3日にブロック豪準備銀行(RBA)新総裁の元で初めて開催された理事会は、市場予想通り政策金利を4.10%に据え置いた。また、同時に発表された声明文も「インフレ率はピークを過ぎたが、依然として高水準」「多くのサービス価格は引き続き急上昇しており、燃料価格も最近顕著に上昇している」と、タカ派的な据え置きだったが、ロウ前総裁時とほぼ変わらない内容でサプライズが無かった。市場では、「今月25日発表予定の7-9月期CPIや来月15日発表予定の同期賃金指数を確かめるまで、RBAは動きにくい」という声が多い。一方で、今週に入り4人の米連邦準備理事会(FRB)関係者が、「高金利の長期据え置き(Higher for longer)」について言及している。RBAとFRBの利上げスピード等の差異が豪ドルの重しとなる。また、米金利の上昇が急ピッチで進んでいることで、各国の株式市場が弱含んでいる。金利上昇による信用収縮問題も徐々に表面化し、市場では「今年3月の米地銀破綻のような問題が再燃する」との声もある。今週は多くの株式市場に売り圧力がかかったが、来週国慶節の休場明けとなる中国市場が世界的な株安の影響を受けて続落するようなことがあれば、豪ドルは更に下げ幅を広げる可能性があるため注意したいところだ。
なお、来週の経済指標は、10日に10月ウェストパック消費者信頼感指数、9月NAB企業信頼感・景況感、11日にはケントRBA総裁補佐の講演が行われる。また、隣国NZでは市場を動意づけるような経済指標の発表等は無いが、総選挙が14日に行われることもあり、世論調査などでNZドルは乱高下する可能性があることに注意したい。
南アフリカ・ランド(ZAR)も上値が重くなりそうだ。豪ドル同様に、世界的な株安がZARを圧迫している。先週に引き続き今週も南アからは主だった経済指標の発表予定はない。9月のアブサ購買担当者景気指数(PMI)が8月の49.8から45.4に低下したが、なかでも9月の新規受注指数が、8月の45.7から35.3に低下。2021年半ば以来の最低水準となった。この傾向が他部門でも顕著になれば、第3四半期(7-9月期)の国内総生産(GDP)がかなり落ち込むのではとの予想も出ており、ZAR安の要因になりそうだ。
10月2日週の回顧
豪ドルは軟調推移。株安などを嫌気し、リスク回避の動きが豪ドルの押し下げ圧力になった。対円では8月後半以来となる93円割れ手前まで下落。対ドルでは0.62ドル後半まで弱含み、年初来安値を更新した。なお、RBAは政策金利の据え置きを決定している。
ZARも米金利上昇を嫌気し、対ドルでは6月以来となる19.63ZAR台まで弱含んだ。対円でもリスク回避の動きで上値が重かった。(了)
◆豪ドル、ZARとも、株安によるリスク回避が上値を抑える
◆NZ、週末の総選挙を控え神経質な動きに
予想レンジ
豪ドル円 91.50-96.00円
南ア・ランド円 7.40-7.80円
10月9日週の展望
豪ドルは上値が重くなりそうだ。米金利が上昇傾向を辿り、米豪の利上げペースにも差がでてきていることが重しとなっている。また、金利上昇で株式市場が軟調な動きを示していることも、リスク回避の動きに敏感な豪ドルにとっては売り要因となるだろう。
今週3日にブロック豪準備銀行(RBA)新総裁の元で初めて開催された理事会は、市場予想通り政策金利を4.10%に据え置いた。また、同時に発表された声明文も「インフレ率はピークを過ぎたが、依然として高水準」「多くのサービス価格は引き続き急上昇しており、燃料価格も最近顕著に上昇している」と、タカ派的な据え置きだったが、ロウ前総裁時とほぼ変わらない内容でサプライズが無かった。市場では、「今月25日発表予定の7-9月期CPIや来月15日発表予定の同期賃金指数を確かめるまで、RBAは動きにくい」という声が多い。一方で、今週に入り4人の米連邦準備理事会(FRB)関係者が、「高金利の長期据え置き(Higher for longer)」について言及している。RBAとFRBの利上げスピード等の差異が豪ドルの重しとなる。また、米金利の上昇が急ピッチで進んでいることで、各国の株式市場が弱含んでいる。金利上昇による信用収縮問題も徐々に表面化し、市場では「今年3月の米地銀破綻のような問題が再燃する」との声もある。今週は多くの株式市場に売り圧力がかかったが、来週国慶節の休場明けとなる中国市場が世界的な株安の影響を受けて続落するようなことがあれば、豪ドルは更に下げ幅を広げる可能性があるため注意したいところだ。
なお、来週の経済指標は、10日に10月ウェストパック消費者信頼感指数、9月NAB企業信頼感・景況感、11日にはケントRBA総裁補佐の講演が行われる。また、隣国NZでは市場を動意づけるような経済指標の発表等は無いが、総選挙が14日に行われることもあり、世論調査などでNZドルは乱高下する可能性があることに注意したい。
南アフリカ・ランド(ZAR)も上値が重くなりそうだ。豪ドル同様に、世界的な株安がZARを圧迫している。先週に引き続き今週も南アからは主だった経済指標の発表予定はない。9月のアブサ購買担当者景気指数(PMI)が8月の49.8から45.4に低下したが、なかでも9月の新規受注指数が、8月の45.7から35.3に低下。2021年半ば以来の最低水準となった。この傾向が他部門でも顕著になれば、第3四半期(7-9月期)の国内総生産(GDP)がかなり落ち込むのではとの予想も出ており、ZAR安の要因になりそうだ。
10月2日週の回顧
豪ドルは軟調推移。株安などを嫌気し、リスク回避の動きが豪ドルの押し下げ圧力になった。対円では8月後半以来となる93円割れ手前まで下落。対ドルでは0.62ドル後半まで弱含み、年初来安値を更新した。なお、RBAは政策金利の据え置きを決定している。
ZARも米金利上昇を嫌気し、対ドルでは6月以来となる19.63ZAR台まで弱含んだ。対円でもリスク回避の動きで上値が重かった。(了)