NY為替見通し=金利急騰の中でのパウエルFRB議長講演・中東情勢に注目

 本日のNY時間の午前は複数の経済指標の発表の結果を確かめ、その後はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演と中東情勢を注視していくことになるか。

 経済指標ではNY勢入り後すぐに雇用指標(前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数)と10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表される。先月、これらの指標が同時発表だった日には、結果がまちまちだったこともあり市場の反応は限られた。しかし、その後中東危機が発生し、昨日は米長期金利の指標である米10年債利回りが一時4.92%台と2007年7月以来の高水準を記録。時間外のアジア時間も更に上昇幅を広げている。米金利が上昇過程を辿っていることもあり、両指標とも予想より強い結果となった場合には、市場を動意づけることになりそうだ。また、同様にその後に発表される9月米景気先行指標総合指数、同月米中古住宅販売件数も予想比を上振れた場合に市場が敏感に反応することになるだろう。

 パウエルFRB議長の講演は、ニューヨークのエコノミッククラブで行われる。最近の米インフレ指標は落ち着いてきているが、上述のように米債利回りは急騰している。市場はFRBが11月は政策金利を据え置くと大方予想しているが、FRB議長が現状と長期トレンドの両方をどのように見ているかが注目される。
 
 中東情勢だが、国連の中東特使が「過去75年間でイスラエルとパレスチナの人々が直面した最も困難な瞬間の一つ」と述べているように、予断が許さない。欧米諸国の説得もあり、イスラエルは地上部隊の進行を辛うじて踏みとどまっている。しかし、緊張状態は依然として変わらないこともあり、地上部隊侵攻が報じられた場合は、米債市場が再び大相場になるリスクが高そうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、10月3日につけた年初来高値150.16円が最初の抑え。その上は昨年10月21日高値151.95円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、17日にNY参入後に付けた安値149.36円。その下は17日に日銀の物価見通し上方修正の報道が出た時に付けた同日安値148.84円。

(松井)
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