NY為替見通し=9月米CPI、中東情勢、米下院議長選出、FRB高官発言に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、中東の地政学リスクに警戒しながら、9月米消費者物価指数(CPI)、米下院議長の投票の行方、そして米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を見極めていく展開が予想される。

 9月米CPIは前月比+0.3%、前年比+3.6%と予想されており、8月の前月比+0.6%、前年比+3.7%からの伸び率鈍化が見込まれている。昨日発表された9月米PPIは、ガソリン価格の上昇を受けて、予想を上回る上昇を記録していたが、ガソリン価格の上昇が、卸売り段階から消費段階まで波及していないのかもしれないため、ガソリン価格に注目したい。

 予想通りに伸び率が鈍化していた場合、10月31日-11月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、前回同様にタカ派的スキップ(見送り)となる可能性が高まり、ドルの上値を抑えることになる。

 本日は、ハト派のローガン米ダラス連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、コリンズ米ボストン連銀総裁の発言が予定されており、次回FOMCでの利上げ見送りに言及することが予想される。

 また、次期下院議長の選出に関しては、イスラム組織ハマスの攻撃を受けたイスラエルへの支援を決議するために、超党派による選出が急がれるのか、それとも今年1月のように難航するのか、要注目となる。つなぎ予算が切れる11月17日以降は、新たな予算案が通過せず、感謝祭の季節に政府機関の閉鎖が現実味を帯びてくることで、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによる米国債格下げへの警戒感が高まることになる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、10月3日の高値の150.16円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、10月3日の安値の147.43円。


(山下)
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