NY為替見通し=7月米消費者物価指数(CPI)とハト派のFRB高官の見解に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、7月米消費者物価指数(CPI)を見極めた後、米連邦準備理事会(FRB)の高官の見解で9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げの可能性を探る展開となる。

 7月米CPIは前月比+0.2%、前年比+3.3%と予想されており、6月の前年比+3.0%からの反発が見込まれており、ドル円も144円台まで上昇している。予想通りだった場合は、9月のFOMCでの追加利上げ観測が高まり、ドル円は、6月30日の高値145.07円を目指す上昇基調が想定される。

 7月米CPIがポジティブサプライズとなり、ドル円がボラティリティーを高めながら上昇した場合、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に留意しておきたい。
 そして、ハト派の3人のFRB高官、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、ボスティック米アトランタ連銀総裁、ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁の見解にも要注目となる。

 リスクシナリオとして、7月米CPIが6月の前年比+3.0%を下回る2%台だった場合は、利上げ休止観測が高まり、ハト派の3人のFRB高官の主張が裏付けられることで、ドル円の下値リスクに要警戒となる。

 米国のCPIに関しては、昨年以来、予想との乖離を受けたCPIショック相場が頻発していることで、本日のCPIにも要警戒となる。

 また、本日は米30年債の入札(230億ドル:前回から20億ドル増額)が予定されており、7月米CPIの結果を受けた入札の好不調を見極めていくことになる。

 さらに、1日に米国債の格下げを発表した格付け会社フィッチ・レーティングスの格下げ理由が、米国の拡大する財政赤字だったことで、7月の米国財政収支にも注目しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、6月30日の高値の145.07円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、日足一目均衡表・転換線の142.30円。


(山下)
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