NY為替見通し=ドル円 年初来高値を更新、複数の米指標やFRB高官発言に注目

 本日のドル円は欧州時間に年初来高値を更新した。NY為替市場では、米国の5月フィラデルフィア連銀景況指数や新規失業保険申請件数、そしてFRB高官の発言を見極める展開が予想される。

 5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数は予想-19.8とマイナスではあるものの、前回から改善見込み。物価動向に関しては4月の価格指数は低下しており、金利先高観が強まるなかで5月の振れ幅が注目となる。なおハーカー米フィラデルフィア連銀総裁は、5%台までの利上げ後の停止シナリオは、データ次第だと述べていた。

 5月雇用統計の調査対象週(5/12週)の米新規失業保険申請件数は予想25.4万件と前週の26.4万件からは減少見込み。予想通りであれば、短期金融市場が固執する年内の米利下げ観測を後退させる要因となるか。

 次期・米連邦準備理事会(FRB)副議長に指名されたジェファーソンFRB理事の講演やバーFRB副議長の議会証言などの発言にも注視したい。

 なお、バイデン米政権とマッカーシー下院議長(共和党)との債務上限引き上げを巡る協議は継続中。バイデン米大統領は21日に記者会見を行う予定であり、マッカーシー下院議長も合意が21日までに可能と述べた。市場では今週末までの合意観測が高まっており、ドル高・NY株高に繋がっている。

 ドル円・一目均衡表の分析では、本日は雲がねじれており、変化日となる可能性に警戒しておきたい。5月3日に雲のねじれが発生したときは、その前日の高値137.77円から200日移動平均線(以下200日線)を下抜けて、上昇トレンドから下落トレンドへ変化した日柄となった。
 200日線に関しては、3月8日高値137.91円(当時の年初来高値)まで上昇した局面でも、200日線137.44円を上抜けていた。しかしながら翌日には下回り、200日線上の滞空時間は短かった。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処は、22年12月15日138.17円を超えると2022年11月30日の高値139.89円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処は、200日移動平均線の137.10円。

(山下)
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