NY為替見通し=ドル円、NY正午からのFRB高官の発言に要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、NY時間12時(日本時間午前2時)から予定されているニューヨーク連銀総裁とセントルイス連銀総裁の発言に注目する展開となる。

 講演予定のウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は先日、米金融当局は利上げを進めるに当たり、あくまで経済目標に集中し、金融安定性リスクをも考慮に入れることは避けるべきだとの見解を示した。おそらく、本日の講演でも同様のタカ派的な発言が予想される。

 イベント参加が予定されているブラード米セントルイス連銀総裁は、インフレを鈍化させるため金融当局は政策金利を「最低」でも5.00-25%まで引き上げるべきだと主張し続けているタカ派の重鎮。本日も同様のタカ派的な見解が示されるのではないだろうか。

 複数のFRB高官からタカ派発言は出ているものの、次回FOMC会合では利上げ幅が0.50%と引き上げ幅が前回から縮小が見込まれている。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月のFOMCでの0.50%利上げ確率は73.5%、0.75%利上げが26.5%だ。

 そして米10年債利回りのチャートは、10月21日の4.335%、11月8日の4.241%のダブルのトップとする変則的なヘッド・アンド・ショルダーを形成しつつあり、ネック・ラインは3.558%付近に位置している。10年債利回りは一目均衡表の雲の中で低下基調にあるが、雲の下限は3.545%にあり、攻防の分岐点が3.50%付近と見なせることで注視していきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、一目・転換線140.16円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、8月26日安値の136.23円。


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。