東京為替見通し=ドル円、FRB高官の利上げ継続発言で底堅い展開か
14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、週明け東京市場で伝わったウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事のタカ派的な発言を意識した円売り・ドル買いで140.80円まで上昇した後、ブレイナードFRB副議長発言「おそらく利上げペースを減速するのが間もなく適切になるだろう」で139.65円付近まで反落した。ユーロドルはパネッタ欧州中央銀行(ECB)専務理事発言「需給動向の不確実性から、どの程度の金融政策の調整が必要かについては慎重であり続ける必要がある」で1.0272ドルまで下落した。もっとも一巡後は、1.03ドル台を回復し底堅く推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官による利上げペースは鈍化するものの引き締めを継続するとの発言が相次いだことで底堅い展開が予想される。
タカ派のFRB高官の利上げ継続発言は以下の通り。本日は、日本時間8時30分からのウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言にも警戒しておきたい。
ウォラーFRB理事は「FRBは次回政策会合で利上げペースの減速を検討する可能性があるが、インフレ抑制に向けたFRBの取り組みが弱まったと受け止めるべきではない」と述べた。
デイリー米サンフランシスコ地区連銀総裁は「7.7%のインフレ率は限定的な緩和であり、勝利からは程遠い。目標を完遂するまで政策の調整を続ける」と述べた。
12月13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.50%の追加利上げの確率が高まっているが、12月13日に発表される米国11月消費者物価指数(CPI)でインフレ伸び率鈍化傾向が続くのか、それとも伸び率上昇となるのかを見極めることになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月のFOMCでの0.50%利上げ確率は85.4%へ上昇、0.75%利上げ確率は14.6%へ低下している。
ドル円は、151.95円から138.46円まで13.49円下落しているが、日足一目均衡表・雲の下限(先行スパン2:過去52日間の中心値)の138.16円が支持帯となっており、中期的な趨勢を示す52日移動平均線も上昇基調にあることで、151.95円でピークアウトしたと結論付けるのは時期尚早なのかもしれない。
しかし、過去最大規模の円買い介入を断行してきた神田財務官が、神田シーリングを140円付近に設定しているのであれば、現行相場水準での追撃的な円買い介入により、勝つ介入の可能性を高めることが出来るため、可能性は低いものの警戒はしておきたい。
なお昨日開催された米中首脳会談では、習中国国家主席は、「台湾問題は中国の核心的な国益であり、米中関係の第一の「レッドライン)」だと述べ、バイデン米大統領に対し台湾に関して行った確約を具体的な行動に移すよう呼びかけた。台湾問題で応酬があったものの、新たな冷戦への警戒感は後退した模様で、極東の地政学リスク回避の円買い要因が後退している。
本日11時に発表される10月中国鉱工業生産の予想は前年比+5.2%で、9月の+6.3%からの減速が見込まれ、同月小売売上高の予想は前年比+1.0%で、9月の+2.5%からの低下予想。中国はゼロコロナ政策が続いており、3期目の習主席が経済的な景気支援よりも政治的なイデオロギーに軸足を置いた政策運営に乗り出すスタンスを示しているため、中国の景気回復への期待感は後退している。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官による利上げペースは鈍化するものの引き締めを継続するとの発言が相次いだことで底堅い展開が予想される。
タカ派のFRB高官の利上げ継続発言は以下の通り。本日は、日本時間8時30分からのウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁の発言にも警戒しておきたい。
ウォラーFRB理事は「FRBは次回政策会合で利上げペースの減速を検討する可能性があるが、インフレ抑制に向けたFRBの取り組みが弱まったと受け止めるべきではない」と述べた。
デイリー米サンフランシスコ地区連銀総裁は「7.7%のインフレ率は限定的な緩和であり、勝利からは程遠い。目標を完遂するまで政策の調整を続ける」と述べた。
12月13-14日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.50%の追加利上げの確率が高まっているが、12月13日に発表される米国11月消費者物価指数(CPI)でインフレ伸び率鈍化傾向が続くのか、それとも伸び率上昇となるのかを見極めることになる。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月のFOMCでの0.50%利上げ確率は85.4%へ上昇、0.75%利上げ確率は14.6%へ低下している。
ドル円は、151.95円から138.46円まで13.49円下落しているが、日足一目均衡表・雲の下限(先行スパン2:過去52日間の中心値)の138.16円が支持帯となっており、中期的な趨勢を示す52日移動平均線も上昇基調にあることで、151.95円でピークアウトしたと結論付けるのは時期尚早なのかもしれない。
しかし、過去最大規模の円買い介入を断行してきた神田財務官が、神田シーリングを140円付近に設定しているのであれば、現行相場水準での追撃的な円買い介入により、勝つ介入の可能性を高めることが出来るため、可能性は低いものの警戒はしておきたい。
なお昨日開催された米中首脳会談では、習中国国家主席は、「台湾問題は中国の核心的な国益であり、米中関係の第一の「レッドライン)」だと述べ、バイデン米大統領に対し台湾に関して行った確約を具体的な行動に移すよう呼びかけた。台湾問題で応酬があったものの、新たな冷戦への警戒感は後退した模様で、極東の地政学リスク回避の円買い要因が後退している。
本日11時に発表される10月中国鉱工業生産の予想は前年比+5.2%で、9月の+6.3%からの減速が見込まれ、同月小売売上高の予想は前年比+1.0%で、9月の+2.5%からの低下予想。中国はゼロコロナ政策が続いており、3期目の習主席が経済的な景気支援よりも政治的なイデオロギーに軸足を置いた政策運営に乗り出すスタンスを示しているため、中国の景気回復への期待感は後退している。
(山下)