NY為替見通し=FRB議長講演に関心集中

 NYタイムは、ジャクソンホールでのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長講演(23:05)が焦点だ。足もとで米国の追加利上げが期待されるなか、今後の金融政策について、NY連銀の自然利子率の上昇レポートに同意し、FF金利を「より高い水準でより長く(higher for longer)」維持するタカ派的見解なのか、それとも、同意せずに利上げ停止の可能性を示唆するハト派的な見解なのか、注目されている。

 仮に前者となる場合、FRBが利下げに転じるタイミングが先送りされる可能性が高まり、米長期金利が上昇してドル買い圧力がかかりそうだ。ドル円は17日に付けた年初来高値(146.56円)を突破すると、22年11月高値(148.82円)まで主だった上値目処が見当たらない。目先はオプションバリアが観測されている147.00円が試されよう。

 一方、ハト派的見解となった場合、失望から米長期金利に低下圧力がかかり直後はドル円を押し下げる展開も想定される。万一、23日安値144.54円をも割り込んでしまうと、日足チャート上で146円台上抜けに失敗したとの印象が強まり、調整局面を迎える恐れも出てくる。

 また、タカ派・ハト派はっきりしない場合、思惑が交錯している点を踏まえると、直後は乱高下する展開も考えられる。いずれにせよ、米長期金利に反応した後は株価動向がドル円相場のカギを握るだろう。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、17日高値146.56円、その上は複数オプションが観測されている147.00円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、日足一目均衡表の転換線145.55円、その下は23日安値144.54円。


(川畑)
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