NY為替見通し=明日のパウエルFRB議長講演を前に神経質な動きか

 連休明けとなる米市場だが、本日は明日から始まるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の半期に一度の議会証言を前に神経質な動きが予想される。その中で注目されるのが、NY連銀主催のコンフェレンスにウィリアムズ米NY連銀総裁とバー米連邦準備理事会(FRB)副議長が出席することで、この2人がどのような発言をするかが相場の動意づけることになりそうだ。

 これまで、ウィリアムズ総裁は「今年利下げする理由は見当たらない」「経済は容認できないほどの高インフレに直面」などと、ややタカ派と捉えられる発言が多かった。しかしながら、今回のコンフェレンスの議題が「金融サービス業界のガバナンスについて」となっていることで、インフレの進行度や金融政策に関して突っ込んだ発言をするのは難しいかもしれない。なお、金融ガバナンスについては、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が相次ぐ銀行破綻について、FRBが「間違いを犯したことは十分に認識している」と発言するなど、金融引き締めの負の側面を先月発言したこともあることで、ウィリアムズ総裁がどのような見解を示すのかが注目される。
 バーFRB副議長は、銀行監督を担当していることで、まさに本日の議題については一番責任がある立場である。これまでも、金融引き締めが銀行破綻に影響を及ぼしたこともあり、今後の銀行の動向に対しても厳しい発言をしている。インフレ高進が進む中で、バーFRB議長がこれまで通りの見解を示すのかにも注目したい。
 なお、同コンフェレンスはファイナンシャルタイムズ紙の編集長がモデレーターとなり、米東部時間11時45分から12時半までの間に行われる予定。

 本日の米国からの経済指標では、5月米住宅着工件数と同月建設許可件数が発表されるが、よほど市場予想と振れが無い限りは、市場が動意づくのは難しそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は昨年11月11日高値142.48円、その上は節目の143.00円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、昨日安値141.44円。その下は日足一目均衡表・転換線140.38円。

(松井)
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