NY為替見通し=FRB議長の言質変化の有無を注視

 NYタイムは、昨日に市場の動意を誘った米上院銀行委員会でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言に続き、同議長が米下院金融サービス委員会で証言を行う予定となっている。

 昨日、パウエル議長は「最新の経済データは予想より強く、金利の最終到達水準(ターミナルレート)が従来想定より高くなる可能性が高いことを示唆」「経済データが全体として、より速い引き締めペースを正当化するのであれば、利上げペースを加速させる用意がある」などと述べ、米金利上昇・ドル高につながった。

 本日も同様の内容を繰り返し述べると考えられ、ドル相場は底堅さを維持しつつも、一段の米金利・ドル高を促すような追加的な発言がなければ、市場は総じて落ち着いた推移になるとみる。

 昨日の動きを多少いき過ぎと捉えて、調整を意識した弱めな発言が出てくれば、相応に金利低下・ドル売りが強まるかもしれない。だが、不安定に市場が上下することは避けると思われる。言質変化の有無を注視したい。

 週末の米雇用統計へ向けたムードを醸成する2月ADP全米雇用報告(予想:20.0万人)など米経済指標の強弱や、米金融政策の行方を占う上で参考になる米地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容にも注意を払いつつ、米金融政策の思惑の傾きを推し量りながらの展開が予想される。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、昨年12月15日高値138.17円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、136.43円前後で下支えとなりそうな5日移動平均線付近。

(関口)
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