NY為替見通し=円高の流れは変わらないか、FRB副議長の経済見通しに要注目

 昨日の日銀政策決定会合後には、131円台半ばまでドル買い・円売りが進んだが、一夜明けると上げ幅をすべて帳消しにする動きとなった。今年に入ってからの円高を演出していたのが本邦勢ではなく、動きを先取りしている海外勢が中心だったこともあり円高の流れを修正するのには時間を要するだろう。

 本日米国からは複数の経済指標が日本時間の22時半に発表される。フィラデルフィア連銀製造業景気指数や新規失業保険申請件数および失業保険継続受給者数は、通常は大きな値動きにはなりにくい指標だが、ここ最近は流動性が低下していることもあり市場が動意づく可能性もある。特に市場はドル売りへの反応が敏感になっていることで、指標が下振れした場合の反応が大きくなるだろう。

 経済指標で動かない場合でも、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長がシカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスで講演を予定していることで、ブレイナード氏の講演内容で市場が動意づく可能性は高い。特に今回の講演内容が「経済見通し(Economic Outlook)」ということもあることで、目が離せないことになりそうだ。

 なお、20日まで世界経済フォーラム(WEF):通称「ダボス会議」が行われている。連日、各国要人が大手通信社からのインタビューを受けていることで、予定されていない時間帯でも要人の発言が市場を動意づけるリスクには要警戒となる。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、本日高値128.93円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、16日安値の127.23円。

(松井)
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