NY為替見通し=FRB議長の発言に要注目、次回FOMCへのヒントとなるか

 本日のNY為替市場のドル円は、米株式や債券市場の動向を見極めつつ、リクスバンク主催のイベントに参加するパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言に注目する展開となる。

 パウエル議長は、昨年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFF金利を0.50%引き上げた後、「現在進めている積極的な利上げは終了に近づいてはいない。任務を完了するまで現在の軌道を維持する」とタカ派的な見解を示した。ただ「政策決定はすべて最新のデータ次第」とも述べていた。

 そのFOMC議事要旨に関しては、ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が「いつになく無神経な警告文(uncharacteristically blunt words of warning)」と意味深なツイートをしていた。議事要旨では「23年にFF金利の引き下げ開始が適切になると予想する当局者はいなかった」とのことで、年末のターミナルレート(利上げの最終到達点)5.10%(※FF金利5.00-25%)を裏付ける意向が示されていた。

 12月米雇用統計で平均時給は伸び率が鈍化しており、ISM製造業・非製造業の「物価」指数も低下していた。そして、昨日ニューヨーク連銀が発表した12月の消費者期待調査では、1年先のインフレ期待が5.0%と前回の5.2%から減速し、2021年7月以来の低水準を記録していた。

 12日発表の12月消費者物価指数が待たれるが、これまでのデータが米国のインフレ伸び率の鈍化傾向を示しており、それらを受けたパウエルFRB議長の見解が注目される。次回FOMCに繋がるヒントとなるか。

 なお、CMEがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」では、2月1日FOMCでの0.25%の利上げ確率は79%付近まで上昇。しかし12月米失業率が3.5%と強い結果だったことで、「0.50%の利上げの可能性も残されている」と主張もまだ無視できないのではないか。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、1月9日の高値132.66円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、1月2日の安値130.63円。



(山下)
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