NY為替見通し=3連休明けの米債市場の動向が焦点、FRB副議長講演にも注目

 本日のNY時間のドル円は、激しく乱高下することが予想される。先週11日のNY市場は為替・株式市場は開いていたが、債券市場はベテランズデーで休場だった。10月の米消費者物価指数(CPI)発表後に、米国勢が債券市場本格参入する初めての状況になる。時間外取引では10日の引け値水準の3.81%台よりも上昇して取引されている。この流れが継続されるのか、または、10日引け値水準に再び近づき、低下するのかを見定めたい。

 本日は米国からは市場を動意づける主だった経済指標の発表はないが、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長の講演には要注目となる。ブルームバーグで行われる講演で、議題も経済の見通し(Economic Outlook)ということもあり、どのような発言を述べるかで市場は上下するだろう。
 ブレイナード氏は10月上旬に「FRBはインフレの動向を評価する際にあらゆるデータを精査」と述べていることもあり、ウォラーFRB理事が「10月CPIはある時点のデータに過ぎず、一定期間のCPI動向を見る必要がある」と発言したように、10月分のCPIだけでは判断を下すことは無いと述べる可能性がある。一方で、先月は「時期尚早の緩和はリスクだが、ある時点でリスクはより二面的なものになる可能性がある」とも述べていた。二面的の一つ「長期的な金融引き締めのリスク」についても言及すると、米金利が大きく動くことになりそうだ。

 なお、18時半から始まった米中首脳会談だが、米中関係が改善される可能性が高まれば米株市場へ影響を与えることが大きく、米金利動向だけでなく米株の推移も為替市場へ影響を与えそうだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目途は、90日移動平均線141.38円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目途は、本日安値138.46円。

(松井)
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