東京為替見通し=ドル円、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に要警戒か

 25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米新築住宅販売件数が予想を上回り、低調な米5年債入札をきっかけに米10年債利回りが4.96%台まで上昇したことで150.32円まで上昇した。ユーロドルは1.0566ドルまで下落した。ユーロ円は158.44円付近から158.83円付近まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、150円台に乗せてきていることで本邦通貨当局のドル売り・円買い介入に警戒していく展開となる。

 ドル円は、3日の150.16円、23日の150.11円に続いて、今回150.32円まで上昇しており、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の有無を見極めることになる。

 昨年秋の円買い介入は、ボラティリティー抑制を名目として実施されたが、ドル円の動向は、以下の通りとなっており、ボリンジャー・バンド+2σ付近から一目均衡表・基準線付近まで下落している。現時点の+2σは150.40円付近、基準線は148.82円となっている。
■9月22日の第1弾の円買い介入(2兆8382億円)東京午後17時30分過ぎ
・下落幅(▲5.54円):高値145.90円から安値140.36円
・+2σ:146.12円、基準線:140.28円
■10月21日の第2弾の円買い介入(5兆6202億円)東京午後23時30分過ぎ
・下落幅(▲5.72円):高値151.95円から安値146.23円
・+2σ:150.39円、基準線:146.16円
■10月24日の第3弾の円買い介入(7296億円)東京午前8時30分過ぎ
・下落幅(▲4.15円):高値149.71円から安値145.56円
・+2σ:150.69円、基準線:146.16円

 また、引き続き中東情勢や米下院の議長選出に関するヘッドラインにも警戒しておきたい。
 中東情勢に関しては、ネタニヤフ・イスラエル首相が「ガザ地上侵攻の準備をしている」と述べているものの、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、米国とイスラエルの当局者の話として、イスラエルは米国が中東に防空システムを配備できるまでパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻を遅らせることに同意した、と報じている。

 3日のマッカーシー米下院議長の解任で議長不在の機能不全に陥っている米下院は、共和党が党内選挙を行い、マイク・ジョンソン議員を4人目となる議長候補に選出したものの、トランプ前大統領寄りの人物であるため、下院本会議での選出に必要な過半数(217議席)の支持を得られるかどうか不透明のままとなっている。
 バイデン米政権が目指すウクライナやイスラエルへの支援は、議会の採決が必要であり、つなぎ予算の期限である11月17日を過ぎると、政府機関の閉鎖や米国債格下げへの警戒感が高まることになる。


(山下)
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