欧州マーケットダイジェスト・30日 株高・原油安・円買い戻し

(30日終値:31日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=149.04円(30日15時時点比▲0.60円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=158.15円(△0.11円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0611ドル(△0.0050ドル)
FTSE100種総合株価指数:7327.39(前営業日比△36.11)
ドイツ株式指数(DAX):14716.54(△29.13)
10年物英国債利回り:4.561%(△0.017%)
10年物独国債利回り:2.822%(▲0.010%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7-9月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
前期比                ▲0.1%     0.1%・改
前年同期比              ▲0.3%     0.0%・改
7-9月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整前)
前年同期比              ▲0.8%     ▲0.4%・改
9月英消費者信用残高        14億ポンド   17億ポンド・改
9月英マネーサプライM4
前月比                ▲1.1%      0.2%
前年比                ▲3.9%     ▲0.8%
10月ユーロ圏消費者信頼感指数(確定値)▲17.9     ▲17.9
10月ユーロ圏経済信頼感指数       93.3     93.4・改
10月独消費者物価指数(CPI)速報値
前月比                 0.0%      0.3%
前年比                 3.8%      4.5%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は一転下落した。米長期金利の指標である米10年債利回りが4.91%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。一時149.85円と日通し高値を更新した。
 ただ、「日銀は30-31日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を議論。現在1%としている長期金利の事実上の上限を柔軟にし、一定程度1%を超える金利上昇を容認する案が有力」との日経新聞の報道が伝わると、全般円買いが優勢に。0時30分前に一時148.81円と日通し安値を更新した。ナイト・セッションの日経平均先物が310円下落したことも相場の重し。

・ユーロドルは底堅い動き。17時30分過ぎに一時1.0547ドルと日通し安値を付けたものの、前週末の安値1.0535ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。ダウ平均が一時500ドル超上昇するなど、米国株相場が堅調に推移するとリスク・オンのドル売りが進み、一時1.0625ドルと日通し高値を付けた。7-9月期独国内総生産(GDP)速報値が予想より強い内容となったことも相場を下支えした。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.06まで低下した。

・ユーロ円は上値が重かった。欧米株価の上昇を背景に円売り・ユーロ買いが先行すると一時158.93円と日通し高値を付けたものの、「日銀がYCC再修正を議論」との観測報道をきっかけに失速した。2時30分前には158.01円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。前週末に約2カ月ぶりの安値を更新したあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入った。今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や英中銀金融政策委員会(MPC)など、重要イベントを控えてポジション調整目的の買いが入りやすい面もあった。ただ、原油先物相場の下落を背景にBPやシェルなどエネルギー株が売られたため、上値は限られた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。DAXは前週末に1月以来の安値で終えた。足もとで株式相場の下落基調が強まっていたため、自律反発狙いの買いが入った。個別ではシーメンス・エナジー(12.66%高)やハイデルベルク・マテリアルズ(1.57%高)、MTUエアロ・エンジンズ(1.54%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場はまちまち。10月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回り、独インフレ圧力の緩和が確認されると、独国債に買いが入った。

(中村)
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