欧州マーケットダイジェスト・31日 株まちまち・金利低下・円安・ドル高

(31日終値:1日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.51円(31日15時時点比△1.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.22円(△1.00円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0575ドル(▲0.0023ドル)
FTSE100種総合株価指数:7321.72(前営業日比▲5.67)
ドイツ株式指数(DAX):14810.34(△93.80)
10年物英国債利回り:4.512%(▲0.049%)
10年物独国債利回り:2.806%(▲0.016%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7-9月期仏国内総生産(GDP)速報値
前期比                0.1%      0.6%・改
10月仏消費者物価指数(CPI)速報値
前月比                0.1%      ▲0.5%
前年比                4.0%      4.9%
7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
前期比               ▲0.1%      0.2%・改
前年同期比              0.1%       0.5%
10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比                2.9%       4.3%
10月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比                4.2%       4.5%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値を試す展開となった。日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を再修正したものの、市場では「微修正にとどまった」と受け止められた。大規模な金融緩和政策の大枠が維持されたことから、日米の金利差が改めて意識されて、円売り・ドル買いが優勢となった。
 さらに、財務省は外国為替市場で9月28日-10月27日の介入額がゼロだったことを公表。市場で浮上していた10月初旬の政府・日銀による為替介入観測を打ち消す格好となり、円売り・ドル買いに安心感が広がった。
 NY市場に入ると、7-9月期米雇用コスト指数や8月米ケース・シラー住宅価格指数、10月米消費者信頼感指数など、予想を上回る米経済指標が相次いだことで全般ドル買いが活発化。節目の151.00円を上抜けて一時151.71円と昨年10月以来1年ぶりの高値を更新した。

・ユーロドルは頭が重かった。時間外の米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが先行。前日の高値1.0625ドルを上抜けて一時1.0675ドルまで値を上げた。
 ただ、10月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値や7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値が予想を下回ったことが分かると一転ユーロ売り・ドル買いが優勢に。良好な米経済指標が相次いだことで全般ドル買いが優勢になると、一時1.0558ドルと日通し安値を更新した。市場では「月末のロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに向けたドル買いのフローが観測された」との声も聞かれた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時106.86まで上昇した。

・ユーロ円は伸び悩み。日銀が大規模金融緩和策の大枠維持を決めたことを背景に全般円売りが先行。19時前に一時160.85円と2008年8月以来の高値を更新した。ただ、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。ユーロ圏GDP速報値やユーロ圏HICP速報値の下振れが相場の重しとなり、2時過ぎには159.80円付近まで下押しした。

・ロンドン株式相場は小反落。前日の米国株相場が大幅に上昇したことを受けて買いが先行したものの、後半失速した。11月2日の英中銀金融政策委員会(MPC)を前に積極的な買いは手控えられた。BPやシェルなどエネルギー株が値を下げたほか、グレンコアなど素材株の一角に売りが出た。半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われ、相場を下支えした。

・フランクフルト株式相場は続伸。前日の米国株相場が大幅に上昇したことを受けて買いが優勢となった。10月ユーロ圏HICP速報値が予想を下回り、インフレ圧力の緩和が確認されたことも投資家心理の改善につながった。個別ではザルトリウス(8.36%高)やキアゲン(5.55%高)、BASF(4.10%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。ユーロ圏HICP速報値が予想を下回り、インフレ圧力の緩和が確認されると独国債に買いが入った。

(中村)
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